第7話 キレる妹

「今日はどうしよっか?」


「う〜ん、じゃあ私でも見れるアニメ一緒に見ようよ!」


「え、お前がいいならそれでもいいけど、いいの?」


「私もね、田中君の好きなもの知りたいってずっと思ってたの。だから、見せてくれない?」


 今日は彼女、天傘春野あまがさはるのが家に遊びに来ているのだ。


「じゃあこれでいいかな……」


「どんなお話なの?」


「魔法使いのお話だよ、これなら女性でも楽しめるでしょ?」


「そうだね!」


 俺はテレビのリモコンを探すが、なかなか見つからない。


「ねぇ、リモコンってあれじゃってうわ!」


 春野はリモコンを取ってあげようとするが、バランスを崩し、俺にぶつかって倒れる。


 目を開けると、俺に覆いかぶさって俺をじっと見つめてくる。


 春野はるのが目を瞑った瞬間、俺は察して柔らかそうな口に顔を近づけようとする。


 すると、ダン!という扉を強く開けた音が聞こえ、扉の方をゆっくりと向く。


 そこには、妹である棘巳とげみの姿がそこにはあった。


「ほ、本当だったなんて……嘘……嘘だよ……。っ!お兄ちゃんなんか死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」


「ちょ!なんだよ!ぐぇ!」


「だっ大丈夫!?田中君!」


 春野はるのが心配する中、妹に蹴られ続けた俺は気絶しそうになる。


「私からお兄ちゃんを奪わないで!どうして……かっこよかったお兄ちゃんに戻ってよ!」


(かっこよかったお兄ちゃん?

           誰〜ガクッ!)


 格好良くないお兄ちゃんは、その後完全に気絶したのだった。











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