「これを見ちゃダメ」、「あれをしてはダメ」と抑圧される程、好奇心を掻き立てられるのが人間だと思いますが、見てはならぬモノを見てしまった主人公に待ち受ける運命はいかに!?ほんわかした前半の雰囲気からは、予想できない展開が待ち受けています・・!
日常世界と彼方の恐怖世界を、「振り返る」ことでつなげ、反転させる作者の力量は半端でない。ひとつひとつの言葉に彼方の世界へ通じるモノが込められていて、それをこじ開けるように読んでいく感覚。短編でありながら読み応えの重厚さを堪能できる。さて、語り口としては、後半、JKの独白には語彙力並びに教養がありすぎて衒学にすぎるのだが、そこはもはや彼は誰の世界のめくるめく意識とつながっていると解すべきであろう。現代女子の言葉遊びとホラー世界のそれが似通っていることも捉えられて、面白い。
視線に苛まれる主人公が、振り返りたい、でも振り返ってはならないその葛藤に悩み友人(?)に相談。振り返ってはダメと言われるが・・・その末に主人公が選んだのは果たしてどちら?読めば読むほど続きが気になる作品ですまさかの百合展開か!?いつもの難しい小説か!?さぁ読んでみて確認してみよう!(?)ホラーも面白いですが友人(?)との会話も、医師との会話も面白いです!