第三十九時限目
そう
昨日の夜、あたし達は確かにいいムードだった。
『息止め合戦』
多分きっかけはこれ。
あれからもあたし達はキスをした
これもまた長いキスで、あたしは窒息寸前なのに拓は何故か平気な様子。
そこであたしは思い切って聞いてみると、どうやら拓も息は止めているらしかった。
「お前絶対水泳苦手だろ」
「は?あたし潜水艦得意なんだから」
「や、俺なんかキョンシー来ても絶対首噛まれねぇし」
「ふんっ、くだんない」
「や~い、負け犬~」
拓のこの一言でラブラブモードは一転、秒針付きの時計を用意したあたしと拓は
『何秒間息を止めていられるか』
を競い、いい加減罵り合った挙げ句、極度の体力消耗であたし達は果てた。
「あんた等…本当にカップル?」
肘を立て、頭を手で支えながら菜緒があたしと拓を見る。
「うるせぇな、付き合ったら必ずヤんなきゃなんねぇ訳じゃねぇだろ!」
(拓…)
「だって普通自然の流れで…ねぇ?桂太」
「お、おぉ…」
「俺等には俺等のペースがあんのっ!一線越えなくたって俺達はラブラブなんだよっ!」
耳を疑ってしまう位、拓からのこの発言は皆驚いた。
でも、確かにそう
こうゆう事は焦ってする事じゃない
そうゆう時期が来て、そのままお互いのペースが重なった時に、ゆっくり育んで行けばいい。
「次は合体すっからさっ!とにかく朝飯食おうぜ」
(合体ってあんた…)
「あ、ボーリングはあたしと桂太対結芽と拓ね」
「結芽、眉毛ガッツリ書いて力溜めとけ」
「…はいはい」
仲良し4人組みが揃っての朝ご飯。
あたしは急いで朝食を済ませ、菜緒から借りた化粧道具で顔を作りいざ、生まれて3度目のボーリングへと出発した。
いつぶりだろう。
多分中学2年の時に、兄貴の彼女と3人で行ったきり。
正直、あたしはあまりボーリングが得意では無い
そして、今回もあたしの無様な姿を拓達3人に披露する事になってしまった。
あたしが球を持つと、それは一変して凶器になる…
「バカっ!お前球を隣のレーンに投げんなっ」
「結芽ちゃん、ボーリングは投げる遊びじゃないよ…?」
「ちょっと!何で球を後ろに投げんのよっ!」
もはや、これは遊びではない
『どうやったら結芽がピンを倒せるか』
嬉し恥ずかしのダブルデート
結局、桂太君の『もう可哀想だから終りにしよう』の言葉をきっかけに、あたし達は4ゲームでボーリングを終了した。
それから軽く昼食を取った後、今度は桂太君の家でそれぞれ有意義な時間を過ごし、そして夕方。
あたしと拓は桂太君達に別れを告げ、拓の家へと引き返した。
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