2月14日(日) 一度、治療と薬の整理を
手を変え品を変え、色んな治療を行っている真っ最中ですが、色々ありすぎて混乱することも多いので、今までの治療内容と投与した薬の整理をしてみます。
これまで書いたエッセイの中にも、ちょっとした思い違いしたまま書いているものもあるかも知れませんが、一度整理した内容として書いておきます(自分の備忘録としても)。が、結構長いのです(汗)
こういうものが書けるのは、ある程度回復に向かって落ち着いてきている(と思っている)状況があります。
■入院初日(月曜)~水曜日
一番最初、主治医の病院が休診日だったことから、主治医の後輩の病院に入院しました。月曜入院で水曜日退院で、この病院では点滴(脱水症状だった)と血糖値が高くインスリン投与が1回行われました。
夜10時に退院し、MIXは一度帰宅し朝まで一緒に過ごす。
■転院後
木曜日朝から主治医の病院に転院、ここですぐに経鼻カテーテルがつけられ、点滴と強制給餌が行われました。
食欲が全く無いため栄養の補給が必要となるのですが、それなら常時つけている点滴から栄養を入れれば良いような気がします。しかし、それだと腸の働きがどんどん低下していきます。どのように低下するのかといえば、腸絨毛が減少するということです。腸絨毛とは小腸内にある栄養の吸収を良くするために、その表面積を増やすためにある突起のことです。この突起、栄養が無いと少なくなると減少してしまうそうで、恐らく何日も口から食べてないMIXは、この腸絨毛がほとんど無くなっているだろとのこと。この腸絨毛を育てるには2〜3日掛かるとも。それでも普通に腸から栄養(糖)を血液中に吸収する必要があるので、経鼻カテーテルを使い高栄養のリキッドを直接胃へ(厳密には胃の直前までカテーテルが伸びている)入れ、腸の環境から整えていきました。
インスリンはプロジンクを処方してもらってます。インスリン投与については血糖値が微妙な数値(200台後半くらい)で、通常最低投与量の1単位(ユニット:IU)のとこと、0.5単位を投与したりして、血糖値を下げすぎないよう注意しながらのインスリン投与でした。
インスリンにより血液中の糖分が体内に吸収され始めると、身体はエネルギーが足りて来るので脂肪の分解を止めます。これにより血液中の脂肪が低下し、肝リピドーシス(脂肪肝:肝臓に過剰な脂肪がたまるために肝臓が正常に機能しなくなる)からの離脱を目指します。肝臓が糖ではなく脂肪をエネルギーに変換すると、脂肪を燃やしたカスとしてケトン体というもが尿の中に出てきます。このケトン体の量や、エコーによる観察(脂肪肝はエコーに白っぽく写る)など、総合的に判断されます。
発熱の対応として、ウイルス性の風邪の疑いがありました。一時的にですが対応が41℃ほどまで上がり、発熱の原因をじっくり見る時間が無かったのもあり、可能性を全部つぶしていくということで、インターフェロンの投与も行われました。猫のウイルス性風邪は今まで症状が出てなくても、今回のように体力が著しく落ちたりすると発症に至ることも有るようです。ちょっと人間の帯状疱疹(水疱瘡)に似てる気がしました。
通常の解熱剤(下剤)が効いたのか、インターフェロンが効いたのかは定かでなないものの、熱の方が少しずつ下がっていきました。
便秘の対応ですが、もともと便秘気味というか溜め込む性格でもあったのですが、フードを可用性繊維入りのモノにすることで、2日に1回ペースでしたが排便は定期的にありました。しかし、経鼻カテーテルによる強制給餌で使用しているクリティカルリキッドは、栄養のことは考えられてますが、便秘についてまでは考えられていません。そんなわけで3週間程の入院期間中は摘便をしてもらっていました。退院後、自宅での強制給餌でもクリティカルリキッドを使っていましたが、やはり便秘(汗)。この便秘で腸内がパンパンになっているので食欲が無いのかもしれないということで、病院で摘便してもらいましたが、摘便では腸内が全て空になるわけでは無いので、浣腸を使い一度腸内を空にしました。
かつ、今後リキッドによる便秘予防としてラクツロースシロップ(オリゴ糖だと思っていましたが、こちらが正解です)を朝晩1.5mlずつ投与することになりました。
ラクツロースシロップの効果は、下部消化管で細菌により分解されて有機酸(乳酸、酢酸等)を生成しpHを低下させる。その結果、乳酸菌産生の促進、緩下作用、アンモニア産生の減少、腸管吸収の抑制など、便秘に効果があるものです。
現在、経鼻カテーテルが入っているので、このシロップを投与するのはシリンジで簡単に出来ますが、カテーテルが取れた後に可用性繊維など便秘に配慮したフードを食べない場合、何らかの手を打つ必要がありますが、今はそこまで考えて無いです。
さらに弱った胃腸を助けるために、ファモチジン、プロナミド、プリンペラン、 ミヤBMなどの整腸剤を朝晩各1回投与しています(粉末を水に溶いて)。
血液検査のたびに結果がよろしくない、白血球数の増加とネコSAAの数値。猫SAA(血清アミロイドA)とは、体の中で炎症を起こした時に現れる急性相タンパクで体に感染や組織障害が起こった時に、急激に血液中に増加するタンパク質の総称です。
この炎症を膵炎と想定して、ステロイドを5日間ほど投与しています。食欲が無い原因に、この膵炎も可能性が高いものとなります。膵炎にはステロイドが良く効くらしいのですが、だからといって簡単に投与は出来ない様です(汗)。それはステロイドがインスリンの抵抗性(インスリンの効き)を上げてしまうからです。
そもそも血糖値が高く、それをコントロールするためにインスリンの投与を行っているわけですが、ステロイドを投与することで現在投与しているインスリン量(1単位)では、血糖値の上昇を抑えきれなくなる可能性があります。
実際にステロイド投与後の血糖値の推移を見ていても、ステロイド投与前は確実に血糖値を100台まで落としてくれてたのに、投与後は300台の高止まりで中々数値が落ちてきませんでした。
最後はどうしても変わらなかった食欲不振についてですが、これは抗うつ剤のミルザタピンという薬を与えることで結果改善していますが、実査にはステロイドにより膵臓の炎症が治まり食欲が出たとも考えられます。
確かにこの薬を家で投与した数時間後、いつでもどこでも食べれるようにと普段置かない廊下のシーバデュオを5~6粒ではありますが自ら食べてました。シーバとろ~りメルティは、何度か食べていましたが、カリカリを食べるのを見たのは実に3週間以上ぶりで、最初は信じられませんでした。この抗うつ剤は理論上2~3日は効果があるということで、その後も何度か量は少ないものの、何度か自分でカリカリを食べています。
まだ治ったという訳ではありませんが、今回のMIXの闘病を1ヶ月ほど経験してみて、改めて糖尿病の怖さというか治療の複雑さを身をもって知ることになっています。よく猫の膵炎は、三臓器炎(十二指腸、膵臓、肝臓の三臓器)になりやすいと言います。ウチのMIXは現状、膵臓、肝臓の2つが炎症状態になりましたが、幸い十二指腸に影響は出るに至りませんでした。
恐らく素人が書く文章だけでは、何が何と関連しているのかが見えにくいと思います。専門家の先生から聞いても難しいものですし、実際先生でも炎症や食欲不振の原因特定に頭を悩ませていました。
それでもMIXがここまで元気になれたのは、一生懸命治療してくれた先生方と看護師さんのお陰であることは間違いない事実です。
まだ、MIXがこの先どこまで良くなるのか誰にも分かりませんが、当初は最初の状況からすると体調が良い方向での退院は無いのではないかと思っていました。それほど大変で厳しい状況だったので・・・。いまは、まだまだ自宅での介護が必要ですが、結構前向きに居れる状態となりました。
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