1月31日(日) 少し良くなったかな?

 日曜日は午前中しか診療が無いため、午前の診療の終了間際を狙って面会。


 この日は午前中だけの診療ということと、明日は病院が休診なので、いつもより大勢の患者が来ているような気がする。

 病院の受付システムでは6人の患者が待っているとのこと。少しでも不安があれば、結果大事でなくとも病院で状態を診てもらうのは、まったくもって普通のことだし、過保護と言われようがその気持ちは良く分かります(汗)。


 そんなわけで、いつもより少し待って面会開始となる。病院はたくさんの患者がいて先生たちも看護師さんたちも凄く忙しそうなのに、毎日のように面会に来る飼い主の対応させていることに、少し申し訳ない気持ちになるけど、こればかりはしょうがない。

 この日は寒かったことも有ったり、また患者が多いこともあってか、案内してくれた若い先生が


『このお部屋はエアコンで温めてますの、ドアして閉めておきますね』


 と、しばしの隔離された空間としてくれた。

 若い先生は



『今日はちょっと体調良くなったみたいで、(扉の方へ)寄ってきてくれるんですよ』


 ケージをのぞき込むと、横になっていたけど立ち上がって寄ってくる。金属製の格子状の扉を開け顔を入り口に近づけると、エリザベスカラーを付けたまま頭をゴツンと僕の額にぶつけてくる。いつもの愛情表現、しかもゴロゴロ言ってる。

 そういえば、面会時にはコロナ禍でずっとマスクを付けていた。家の中ではマスクをほとんど付けないのに、面会のときのマスクをした顔を見ても、それが飼い主だとしっかり分かってる。

 妻はさっそくシーバの用意をするが、先日よりは食いつきが悪いようだ。食べるには食べるけど、結局いつもの半分くらいで満足したようで終了。

 それでも、まったく食欲が無かった先日に比べれば、だいぶ良くなったように感じるのは、飼い主の都合の良い解釈だろう。


 よく見ると、経鼻カテーテルの位置が、左から右に変わっている、点滴用のチャックも左から右に変わっていた。点滴の方は針が刺さったままなので腫れて通りが悪くなるので、ある程度定期的な交換が必要なのは知ってるけど、経鼻カテーテルはどうしたのだろう?

 いつもより時間を貰ってある意味閉じた空間をもらうことで、外部の音もかなり気にならなくなり、夫婦2人して撫でたり名前を呼んだりしてるうちに、愛想を振るのに疲れたのか、ゴロンと横になった。

 エコー検査用にお腹の毛は剃られ、両前足には点滴用に毛が剃られ、持続自己血糖測定器「Free Styleリブレ」装着のため、左わき腹当たりの毛も剃られている。よく見ると肛門の周囲の毛も剃られてるようだけど、これはまだトイレで排泄が出来てないようなので、汚れないようにとの配慮だろう。

 じっくり愛猫を見てみると、もう満身創痍の状態だと改めて実感する。頑張れって声をかける前から、もう凄く頑張っている(飼い主目線)と思う。


 しばらくして主治医の先生が説明に来てくれました。熱は少し下がってるけどまだあるので、ダルさは完全に抜けてなさそうだけど、一時期よりは歩き回ったりで少し元気が出てるとのこと。

 ただし、数値上だが懸念事項が1点出て来たとのこと。実は自己免疫性溶血性貧血の疑いが少しだがあるとのこと。

 むつかしい名前の病気だけど、実は人間にもある難病指定の病気(人間だとね)で、猫にもあるとのこと。もう、どんどん難しい病気が出て来るので、申し訳ありませんが気になる人はネットで調べてみてください(汗)。

 原因ははやり膵臓の炎症からのようで、もしこの病気が発症すると治療は困難なようです。自分の赤血球がどんどん壊れるので、輸血の必要性が出てきたりと・・・正直この病気で命を落とす猫も多いそうです。


 まだ可能性の段階ですが、先生としては説明しなくてはならないのでしょう。でも、そのお顔がとても辛そうでした。


       ―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


 実はこの日で入院して14日(丸二週間)が経過しました。病状は一進一退を繰り返しているものの、元気な時にはいつも通りの振る舞いも見せますが・・・

 はやり夫婦そろって考えてしまうことがあります。それはこの治療がいたずらに飼い主のエゴによる延命処置に過ぎないのではという懸念です。

 もちろん良くなってインスリン投与が必要だとしても、また一緒に暮らせることを信じて、飼い主としての責任を果たそうとしていることも確かです。

 

 でもきっと決まった正解は無いんだと思います。それぞれの飼い主が、この家族に対してどうしていくのかは、きっとペットと飼い主の数だけあるのだと。

 変な話ですが、僕の母親が長期入院の果て老衰しましたが、なぜか母親のときより辛く感じるのは、子供のいない夫婦にとって、やはり子供のような存在だからなんだと思います。

 猫を飼うとき、自分たちよりも命が短い動物を飼うということは、基本的に見送ることを覚悟して家族に迎え入れたわけですが、覚悟をしていても辛いものは辛いものですね(汗)。

 しかし、ここで凹んでばかりはいられません。MIXはまだ生きようとしているし、なんせ家にはMIXより4歳も年上のロシアンブルーもいる訳ですから。


 恐らくこのエッセイ、あまり気分のいい読み物では無いかと思っています。ですがまぎれもなく、フィクションでもファンタジーでもなく、リアルなエッセイです。

 何年か先、夫婦2人だけになったときこのエッセイを読み返し、この時の気持ちを思い出せるよう、ちゃんと最後まで書いていこうと思います。(今はね)


 

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