第10話 浅野蘭オマケ

「あっ!」

 蘭が急に大きな声を上げる。

「どうした? 気でも狂った?」

 蓮は大きな声に驚く。

「そうじゃなく、蓮君。大変なの」

「何が?」

 蓮はソファに座り、テレビゲームを始めた。

「大学の宿題、レポートが出来て無いの」

「……僕には関係無い」

「もう、手伝うとか、気の利く言葉無いの!」

 蘭は少し怒る。

「君ね。自分でやらなきゃ意味無いだろう」

「そんな事無いわ。蓮君がレポートを提出した方が、評価が上がるでしょう」

「君の評価。が上がるだけで、僕の評価は上がらないでしょう」

 蓮は言葉を訂正して、蘭に話す。

「そう? ともかくやって、お願い。ほら、行列の出来る銀座の牛乳プリン買ってきたから、私の分も上げるよ」

 蓮は手を止める。

「銀座の牛乳プリン……分かった。いいだろう。君がどうしても僕の頭脳が必要なら、今回だけ特別に手伝ってやる」

「ホント。ありがとう。やっぱり、蓮君は優しいね」

「別に、僕は……ほら、早く牛乳プリン出せ。脳を動かすには糖が必要だ」

「はいはい」

「飲み物は?」

「アイスコーヒーだ」

「用意するね」

 蘭はキッチンに向かう。

(牛乳プリンか〜)

 蓮の顔が自然と綻んでいた。

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