はぁ(第3話)
やる気が尽きた。なんせ死人に話かけにゃならんからね。一日一日、この手紙に時間をかける余力も、やる気も、時間もなかった。そして書いている内に、Lさんへの好意なんてどこかに消えてしまった。二年ほど前には本当に左右も分からなくなるくらいにボケて、また避けようとした自分を責めてセンチメンタルに陥った訳だが。
老けてしまった。ざまあ。そのへんだ。あの日の青春、そう。いつかまた泣くのか。俺という人間がどこかでいうこの僕みたいなクズになったり、またそろそろ本格的にL氏の属性が変わったり、それとも俺がいつの間にか、知ってか知らずかそれこそ呆れるほど崇高にでもなったのか。
まあ、そうさ、Lという一人の人間を矢面に立てて普通、の人に誰かどうか俺という人間を理解してくれ、と訴えたかったのもある。まあ俺が受かったあのアホ校よりも下の学校を彼女は受験して落ちた事実をネタにしているのは一つのテーマ、偏差値の差が二十あれば会話すらできないという俗説を覆しはしたかった。自惚れるのも大概ではあるが。
そう一応は頭がいいものの、近辺のウチより少し偏差値が低い高校の学年一位が東大A判定とか言われて、それでウチの一位もそれくらい頭がいいのだろうとか言われる。ご期待には添えず。まあ一応申告すれば、超進学校の落ちこぼれくらいだと思われるくらい。分かってたから、北野は受けなかった。
いい加減な価値観といえば、あれだ。動悸である。歌のテストとか前に一人立たされて歌わされるものがあるが、あれは寝たかったと思うことである。わざわざ当人の歌唱のタイミングで睡眠が妨げられるのは非常につらい。しかもなんか女なれしないから実は何人かそれがある。その辺に関しちゃ言えば、人好みという面倒は間違えなくしたくなかった。その、いつかそういうのを後悔する日が来るって言われても。
なんか例の件の先輩もそう。距離があると本当に面倒。焦がれるとか通り越して自然解消やら一応会えるとは言われても疲れてるからわざわざ会いたくもない。そんなものである。
あとバクダン投下と言えば、L、彼女は生きている。トルコなんかに二人で行くか、という見え透いた嘘をついた。ヒトラーさんがデカイ嘘はバレない、というものだから。あと、自分の見解として、会う気もなく、会わない人間はまた逢う日まで死んでいると思う。自分の世界観の中でなら死んでいる。その延長の概念で意図的にその人のことを忘れることは人殺しだなぁ、と感慨にふけるのである。
まあ、君たちが分からないことは相当に多いだろう、どう二人が逢瀬を重ねたか、頭がいいだけでなぜ俺の心が閉じていったのか。
頭がいいから心を閉ざすというのは、クラスでたまにある、こんな問題わかる訳ない、とかできて何の役に立つ、だとかの言い合いを聞いていると、その問題が(時に余裕で)解けている、またその授業がときに俺が好きなものであるなら、互いに分かり合えないように感じてしまうのである。この辺は、中3で目覚めたのだが更にもっと高校ではこじらしていった。この辺はさすがに言わないと分からないので説明しておこう。あとはお楽しみにするといい。
あと、この手紙、ごまかしてはいたがもちろん彼女宛のものではない。まあ、かといって君達宛ではない。俺の独り言さ。
あの手放した恋を今私が悔やんでいる訳だ。会いたくはある、でもどうしたらいいだろうかね。
こないだ、英作文で、If you should meet me,tell me nothing.といった文を書いて色々思い着いたのだ。しかも先生に当てられ、この俺得の文を読まされて周りはイミフで笑いが漏れる、その言い訳をしたかったり。
動機は不純なものだな。もういいかい?
手紙、…? alcor @a1Cor
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