まずよ、(第一話)
俺さ、これだけはよく覚えてるってのが、いつか二人だけで行ったトルコ旅行でさ、どっかで俺が激昂して、殺しちまったことよ。
そんで、海に流して、未だにバレちゃいない。
そう、それにもしこの街で生きてるって言ってもね、俺はもうおめさんと会ったこと無いんじゃないかね。うん、初期化されてしまうのよ。人ってゲームソフトみたいに気が利いてないから、ふとコトを思い出して久々に起動してコトを遂行しようとしたときはまた始めからやり直さなくちゃ、。だから全く懐かしくない。ボケモンやってるとあるでしょ、そいつに愛着出てくること。それで、そいつも己になついてくれている。一年くらい放置してもさ。それもおかしいけどよ。
だいたい、デキる中坊の進化形とかさ、以前見たのだって例によってすのうで加工されたキャピキャピなのだし、こいつ誰ってなったしねぇ……(まあそりゃ生まれ変わったからだろうが)。また、例の発言を引用すると、「女はいくらでも嘘がつける」、お前さんはもう女になれる。ちなみに言うが、男でも好き放題つける。しかも男の方がもっとついてたなぁ。まあ俺くらいは間違えなく嘘が上手くなっただろうからな、あのアホ面はもう拝めないなぁ。
この街をいくら歩こうとおめさんはいない。生きてたら十中八九、すすきのに繰り出してるんだろうけどさ、それでも中学近くのスーパーフィールに行くたびに淡い期待とか持って入るアホの身になってくれよぅ。
ハハ、こんな物を受け取った身がどれだけ辛いか、というか、笑ってしまうか、そういうことは知ってるんだがね、でもこれで二回忌なのさ、殺した当人がどれだけ悔やんでるのか、とも言うし、懐かしがっているか聞いてくれ。
でも、おめさんは寛大(誤字なし)だから良いんだろうが、殺してしまった人間がこのような事を公言うと炎上してしまうな。でも、それくらい表現の自由って言えないのかな。でもごめん。ずっとこんな掌で弄んだとぼけた話をしている。また会って謝りたい。でももう会いたくもない。死んでしまってるおめさんは不気味に違いないからな。
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