27 広場での出来事
再びあの町に戻った。
暗殺者として育ったあの町に。
竜は見世物のように、鎖につながれていた。
広場の中央で大勢の人たちが集まって、竜を見つめている。
竜は、疲れはていた。
たくさん人に攻撃されたのだろう。
私が逃げる時、人の注意をひきつけるために、抵抗しなかったのかもしれない。
傷がたくさんついていた。
処刑主が広場に姿を現して、難しい事を長々としゃべった。
今日が処刑の日だったらしい。
私は、その場に集まった人々かきわけて、竜の前へ急ぐ。
処刑主の言葉が終わった。
大きな斧を持った兵士達が竜に近づく。
人々がヤジを飛ばし始めた。
私は誰かの足に躓いて転んでしまう。
その時、人々の歓声がひときわ大きくなった。
顔をあげて、視線を王子にむける。
兵士達が、竜の首を断ち切ろうとしていた。
しかし竜の皮膚は頑丈だった。
一度では断ち切れない。
あさく切れた皮膚から血が流れだすだけだった。
それをみた兵士はまた、首を断ち切ろうとした。
私は、叫びながら人をかき分けた。
そして、王子の耳に届くように、声を張り上げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます