26 処刑の知らせ



 ダンジョンにたどり着いた。


 ダンジョンの仕掛けはすべて切られていた。


 モンスターもなぜかいなくなっていた。


 王子はこうなる事を予期していたのかもしれない。


 最奥に急いだ私は、赤子に薬を飲ませた。


「元気になってよかったね」

「そうだな」


 赤子は見る見るうちに調子が良くなったようだ。


 ほっとした。


 症状が落ち着いたら、王子の事が気になった。


 探検家の少女が外に出て、情報を集めてくることになった。


 赤子は元気になって、きゃっきゃと笑い声をあげるようになるまで回復した。


 王子と共に、赤子の世話で右往左往していた時のことが頭によぎった。


 それがとても大事な思い出のように思えた。


 帰ってきた探検家の少女は、王子が公開処刑される事になったと伝えた。


 私は王子を助けに行く事に決めた。


 無事でいる事が分かれば、きっと竜である王子なら、無理やりにでも人間達の元から脱出できるはずだった。


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