おまけ

01 おとぎ話「光の国の竜」



 光の国に孤独な一匹の竜がいました。


 すべてがまぶしい光に照らされた、輝ける国でした。


 しかしそこには、誰もいません。


 ただ、いるのはその竜のみ。


 竜は寂しさのあまり、毎日泣いていました。


 しかしそこに、一人の男性がやってきました。


 男性は話し相手になってくれたので、竜は大喜び。


 毎日楽しく暮らしました。


 しかし、ある日その男性が竜を殺してしまいます。


 裏切られた竜は、自分を裏切った男性が苦しむように呪いをかけました。


 すると、男性は竜になってしまいました。


 それからの男性は自らの行いを後悔しながら、生きていました。


 竜はとても強い生き物でした。


 だから、光の国の人がいない場所に封印されていたのです。


 けれど、それだけでは人間は安心できませんでした。


 多くの人から依頼された男性が、竜を倒すことになったのです。


 友として仲良くなった竜。


 そんな竜を殺してしまった事を、長い間男性は悩んでしまいます。


 後悔を抱えながら、竜となった男性は長い時を生きました。


 竜は長生きです。


 そのため、知っている人が全て死んでしまったので、男性は友と同じように孤独になってしまいました。


 しかし、そんな男性を癒す女性があらわれました。


 人と触れ合う事を思い出した竜は、満足して寿命を迎えて死にました。


 竜となった男性は、罪を許されて神様になります。


 そして、それから長い間ずっと世界を見守り続けていました。


 それから時折り竜は、人の世で災害が起こるために、優しく鳴き声をあげて、世界の人々を励ましました。


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