第1話 夫婦の朝


              ☆☆☆その①☆☆☆


 太平砲のド真ん中に造られた人工島「ネクスト・アトランティス」に、朝が来た。

 地球連邦所属の特別捜査官であるマコトとユキは、この人工島の公務員宿舎で、ルームシェアをして暮らしている。

 高層フロアの一室のキッチンで、二人分の朝食を作っている、ケモ耳エプロン少女。

「ふんふんふ~ん♪」

 平均よりも少しだけ高い身長は、起伏に恵まれた官能的なシルエットを、朝の陽光に輝かせていた。

 張りのある腿も剥き出しなショートパンツと、恵まれた双乳をキツそうに抑えているタンクトップに、短いエプロンだけを身に着けた、無自覚に扇情的な姿。

 エプロンの中央だけは余っていて、くびれたウェストとの間に、更なる隙間を生み出してもいた。

 丸くて大きいお尻と黒くて細長い尻尾をフリフリしつつ、鼻歌でフライパンを揺らしているのは、黒い猫耳をピンと立てた、マコトである。

 ツリ目も凛々しい王子様のような美顔を楽しそうに輝かせ、フライパンを操って、フワフワな卵焼きを綺麗に裏返す。

「ほいっ…」

 ホカホカ焼きたての黄色い卵焼きが、温めた白いお皿へ乗せられると同時に、お味噌汁も完成し、ごはんも炊きたてだ。

「よし!」

 朝食の出来に満足なマコトが、ベッドルームのユキを起こしに行く。

 窓からの晴れた朝陽で照らされながら、うさ耳少女はお姫様のように、クークーと静かに寝息を立てていた。

 ルームシェアの相手でもあり、仕事のパートナーでもあり、幼馴染みでもあるユキ。

 薄いタオルケットが捲れて、曲線美が艶々な素足と、丸くてフワフワなウサギ尻尾が覗けていた。

 幼馴染の寝顔になんとなくホっとしながら、マコトはベッドの端に、大きなお尻を静かに下す。

「ユキ、朝ごはん 出来たよ」

「んん…」

 幼馴染みの優しい声で、お寝坊なお姫様が、トロんと目を覚ました。

 平均的な身長に、大きなタレ目が愛らしく、豊かなバストとくびれたウェスト、安産型のヒップを、ごく薄いネグリジェだけで飾っている。

 寝ぼけた愛顔は、まるで無知な極上美少女そのもので、見ただけで男性の理性を破壊してしまいそうな、危うい姿だ。

「あさ…ですの…」

「うん、ユキも 早く起きなよ」

 ショートカットのボーイッシュな幼馴染みに、ゆるふわなセミロングのウェーブを優しく撫でられながら、ユキはゆっくりと覚醒をする。

「んん…お早う マコト…ふわわ…」

 口元を手で隠しながら欠伸をする少女は、大きな枕を抱き抱えたままだ。

「ほら 顔、洗っておいで」

「は~い…ふわわ…」

 寝ぼけ眼のまま、ユキは洗面台で顔を洗って、リビングの席に着く。

 おしゃれでファッションや自分磨きに余念のない女子力高めなユキだけど、炊事洗濯は全くの苦手。

 逆にマコトは、おしゃれや自分磨きには無頓着で、炊事洗濯は大得意だった。

 ごはんをよそって、二人で手を合わせて挨拶。

「「戴きま~す」ですわ」

 食べ始めると、ユキの目がパッチリと覚める。

「んふふ…マコトのご飯、今日も美味しいですわ♪」

「ふふ…」

 幼馴染みの素直な感想に、大きな嬉しさと、まだ照れが残るマコトだった。


              ☆☆☆その②☆☆☆


 朝食を終えると、まずはユキがシャワー。

 マコト曰く、ユキは仕度に時間が掛かるから先に浴びさせて、その間にマコトは食器洗いや洗濯などをこなすのだ。

 ユキのしなやかな肢体に、暖かい湯が流れて濡らす。

 大きなバストを滑り、細い背中を流し、大きなお尻を洗ってゆく。

 左右のうさ耳も、それぞれ両掌で丁寧に洗浄。

 ユキが上がると、マコトもシャワー。

 ユキよりも少し背の高いボディは、そのラインでもユキと同じく恵まれている。

 豊かな双乳が湯に濡れて、綺麗に引き締まったお腹が洗われて、大きく発達したヒップが湯で艶めく。

 長くて黒い尻尾が濡れても、マコトは丸いお尻と一緒にプルプルっと左右に振って、雫を飛ばした。

 マコトが上がる頃、ユキのお肌のお手入れも一段落。


「これで十分でしょ?」

「全然ですわ! ほら、こっちにいらして下さいな」

 服に頓着しないマコトは、放っておいたらヘソ出しタンクトップにショートパンツのままでも、近所の大陸に出かけてしまう少女である。

 高い身長と王子様のようなフェイスに、ボーイッシュなサッパリしたショートヘア。

 なのに恵まれた巨乳をタンクトップだけで、細いウェストは剥き出しで、タップリのヒップをショートパンツだけで済ませるその姿は、無自覚過ぎるし危険極まりない。

 なので、毎朝のコーディネートはユキの仕事であった。

「どうせ下には制服 着てるんだし、上なんて 何でも良いと思うけどな…」

「女の子は身だしなみが大切なのですわ」

 寝ぐせの髪も気にしない幼馴染みを鏡台の前に座らせて、艶々の黒髪に丁寧な櫛を通してゆくユキ。

 ナチュラルメイクやフレグランス、下着からストッキングからスーツまで、まるで等身大の着せ替え人形みたいに着せられてゆくマコトである。

「うん、素敵ですわ!」

 頭の天辺から足のつま先まで、全てユキのコーディネイト。

 中性的な美顔に似合う、オフホワイトの上品なスーツ。

 上着の裾から黒い尻尾が伸びていて、ユキ曰く、ちょっとしたおしゃれポイントらしい。

 そんな幼馴染みは、コバルトブルーのファッションドレスに、ブーツは意外とワイルドデザイン。

 ドレスの後ろからウサギの尻尾が飛び出ていて、マコトのファッションに、嬉しそうなユラユラを見せていた。

「さ、本部に行こうか」

「ええ」

 マコトとユキは夫婦のように、特別捜査本部へと向かった。

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