コントレイル contrail


遠い 水平線の 向こうから


青紫の 風の壁が 水面を 滑るように

うねり、もがき、苦しみながら


砂浜を歩く 私を 連れ去った。


空の青さと 海の 濃紺色

空と 海を 割るように ぐるりと 回る


contrail


目を見開いた。世界を見た。私は視た。

誰も見たことのない姿カタチを


その、ゆらめきが

何かが 生まれて 光を纏うように


contrail


まだ、見たいと渇望する

欲望は…思ったほど恐れもなく汚れもなく

行きなさい 生きなさいよ と

心臓は 鼓動している。


内側から外側へ

卵の殻に、最初のひびが入るように

どれだけステキなモノに

包まれていたかなんて、外に出るまで

誰も知らないから。

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