ふ ゆ そ ら
世の中、上手くいかないことの
ほうが多いんだよ。
少し、諦めたように息を吐く。
冬の匂いがし始めた夜だった。
あの頃とは、違うからと
君に背を向ける為だけに呼び出した。
視線は外らさない。
君を傷付ける、自分を忘れない為に。
いや、最後の時間まで
君を見ていたいから…かな。
空気を読むのが、上手い人だから
伝える言葉は それだけで足りたはずだった。
けど、君は言った。
上手くいかないことの方が多いなら
数の少ない 上手くいく事を 考えたら
どうかな?
マイナスの選択肢から何を選ぶの?
上手くいく事を考えて
失敗するなら、それでもいいじゃない。
そう言って、そう言って
君は、泣きながら笑ったんだ。
ごめん。
冬の匂いの中で
君は何よりも、強くて温かい。
何かひとつ掛け違えても
出会うことが出来なかったこと
やっと、気付いた。
君をがっかりさせたくなくて
いつまでも
大事なことすら言えてなくて
繰り返し話し合った事すら
信じきれなくて。
君は泣きながら、笑った。
大丈夫よ、信じてるから
私、あなたを信じてるから
そう言って、君は俺の心ごと
引き寄せて おかえりって、また笑った。
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