魔法は使えないからさ


あー、中途半端だったかな

けど伝えなかったことを 後悔に

したくなかったんだ。


言えばよかったって

倒れそうになるような、あの長引く痛みは

もう、嫌だったんだ。


けどね、僕がやりたかったのは

君に、伝えることだけで

あとは流れに身を任せてもいいし


僕の伝えた言葉が

君の中の、何処かに吸い込まれて

もし消え去ったとしても

構わないんだ。

僕の伝えたかった言葉は

もしかしたら、無遠慮で優しくもなくて

受け取りたくもない ギフトかもしれないし


ごめん、魔法使いじゃないからさ?

僕のエゴだらけの価値観を

君の欲しい 形に整えて贈るなんて

出来なかったんだ。


けれど、もしかしたら

この胸の中にある可能性とか

希望とかいっていうのは

誰にも解けない、魔法かもしれない。


好きだよ。


そういう、呪文かもしれない。


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