概要
マジシャンなんてやめちまえ!
わたしは手品師であることに優越感を感じ、同時に劣等感も感じている。マジシャンは特別な仕事。わたしにしかできない仕事。そう思い込んでいる。と、同時にこの職業は河原乞食のように水物であり『所詮、なくてもよいもの』だと卑下している。このこと自体がわたしの矮小さを明るみに出す。才能があると思いたがるわたしという存在。なぜ、わたしは才能を欲するのか? いずれ死においてそんなものは雲散霧消してしまうのに。ああ、そうか。いずれ死ぬから死ぬからだから、わたしはプロという肩書きや才能という肩書きにすがりつきたいのだ。
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