少しボリューミーな短編となっておりますが、個性豊かなキャラクター(特に主人公のリュカ)とハラハラドキドキの展開の連続で、最後まで一気に読ませていただきました。
作品情報にあるように、この作品は作者様の他の小説の登場人物にまつわるエピソードとなっています。私はその作品は拝読していませんでしたが、この作品単体でも十分楽しめました。前述した登場人物や物語の展開の他にも、宗教裁判や悪魔学の要素などが短編であるこの作品をより奥深くしています。
また、「ジェヴォーダンの獣」という実際にフランスで起きた謎多き獣害事件をモデルにしているとのことですが、この事件の内容を知っている自分からの感想は「事件について知らなくても十分楽しめるが、知っていればさらに楽しめる」という感じです。「ジェヴォーダンの獣の結末はこうだったけど、この作品は・・・」という一種のドキドキが味わえます。
拙いレビューですが、この作品の魅力が伝われば幸いです。