第6話 花火会場へ

 

 パレードも終わり、辺りは薄暗くなってきている。私と彩愛は少し休憩をしていた。

「ちょっと曇ってきたね」

 彩愛が不安そうにする。確かに雲は先ほどより厚くなっているようだ。

「大丈夫だよ。もし雨が降っても花火は中止にならないさ」

「どうして?」

「中止になったら彩愛だけでなく他の人もみんな悲しんじゃうだろ?」

 本当は技術の進歩で水に強い花火が開発されたのが理由だが、わざわざ難しい話をして頭をこんがらがらせる必要もない。私は適当な理由を付けた。

「そっか!」

 彩愛の顔に明るさが戻る。作戦は成功のようだ。

「よし。そろそろ花火会場に行こうか」

 私は彩愛とともに花火会場へと向かった。


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