DIARY:19 〜幼さ故の後悔の話〜
そろそろ投稿を始めて20日。未だに何を書くのが正しいか分からず、手探り状態です(笑)
今日は少し、昔を振り返ろうかな、と思います。
では、第十九回・・・。
少し昔の話をしよう・・・。
俺がまだ中学生の時だ。当時は俺は身体が弱く、学校を休みがちで同級生との接し方がよく分からなかった。
そんな事だから学校生活が上手くいくはずもなく、一部のメンバーとは凄く仲が良いが、他からは陰口を言われたりする事も少なくはなかった。
その頃、俺は一人、好きな女の子がいた。小学校から仲の良かった女の子だ。中学に上がり、クラスも変わって自分も男女を意識するようになり、素直に女子と話すのが難しい時だった。
おかげでその子が話しかけてくれても、自分の気持ちをどうしていいかも分からず、邪険にしてしまっていた。当時は好き、という事すらよく理解していなかったのだ。
別のクラスになった彼女を無意識の内に目で追いかけ、偶然目が合ったら反らす、というような日々を繰り返している内にようやく自分の気持ちに何となく気が付いた。
ああ、目が合うのは俺が追いかけてるからでドキリ、と心臓が跳ね、甘酸っぱいような、苦しいような気持ちになるのは彼女が好きなのだからだと。
それを自覚した中学2年の時、再びクラスが一緒になった。しかし、そのクラスは他の仲がいい友達も固まったクラスだった。
普通なら嬉しいはずなのだが、俺は仲のいい友達の前で彼女と仲良くするのが凄く恥ずかしかった。今思えばなんと幼稚な、と思うが当時の俺はそんな事すら大変な事だったのだ。
問題はその先だ。割と女子から批判的な事を言われる場面があった俺だが、彼女は以前俺にも聞こえる場所で、
「えー、○○、良い奴だよー?」
と、言ってくれたのだ。たった一言。言ってしまえばただそれだけの事だったがその時、俺がどれほど救われ、嬉しかったかは俺にしか分からないだろう。
クラスは敵ばかり、と考えていたあの頃、どうせ好き勝手言われるのだと聞こえないふりを決め込んでいた俺の耳に届いたあの言葉。
その一言で心がスっと楽になった。俺はここに居てもいいと思えた。今でもあの言葉は忘れない。
彼女は無自覚だったかもしれない。だが思えば、俺は彼女のそうした人と仲良くしようとするところや、仲良くしている人を大事にする優しさが好きだったのだ。
後悔するべきはその中学2年のクラスでの事だ。ある時から俺の仲良くしていた友人達がその女の子をバカにするようになった。露骨だったし、敏感な彼女が気付かないはずは無い。
きっかけはなんだったのだろう。今でも分からないが些細な事だったのだろう。たまたま彼女だった、というだけの理由かもしれない。
だが彼女はバカにされるようになった。俺は余計に彼女に話しかけずらくなった。そんなある日、彼女が俺の友達が放った悪口に顔色を変えたのだ。
直ぐにその場を離れ、自分の席に戻った彼女だが何年も彼女を見ていた俺はそれが激しく傷付いているのだと言う事が分かった。
俺は物凄い怒りを覚えた。皆の前で糾弾し、彼女に土下座でもする所を見せてやりたい気持ちになった。だが、実際の俺はその友達の悪口に愛想笑いを浮かべる事しか出来なかったのだ。
・・・視界の端に映る彼女の横顔に、後ろ髪を引かれるような気持ちになった事を今でもよく覚えている。
あの時、俺は彼女の事を好きでいる資格を失ったのだと思う。我ながら情けないこと、この上ない。あれから大人になって何度か会う機会があったが俺は良い友達を演じた。
それ以上は許されない。そう思うからだ。ただ、許されるならあの時のことを謝り、ありがとうと感謝を伝えたいと今でも思う。間違いなく、あの頃一番、俺の気持ちを救ってくれたのは他ならない彼女なのだから。
今でも忘れられない、俺の苦くも甘酸っぱい青春の1ページの話だ・・・。
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