DIARY:6 〜白昼夢の逃亡戦の話〜

タイトルがおおげさかな?

期待はそんなにしないでください!

夢だから描写が飛び飛びだったりもします、そのまま書いたので。

ではでは、第六回・・・・・・。



これは、つい最近ウトウトと昼寝している時に見た衝撃的な夢の話。


気が付くと、俺は見知らぬ住宅街の草むらにいた。辺りは薄暗く、時刻が夕方を回っている事が分かる。


手には取り回しやすそうな銃身の短いアサルトライフル。迷彩服を身に付け、格好はまさにどこかの兵士のようだ。


周囲には俺と同じような格好をした兵士たちがいた。薄暗く、顔はよく見えないがその連中が自分の仲間であることは何故か認識が出来た。


俺達は何かから追われ、戦っていた。その事実が俺の足を動かす。草むらを周囲に見られないよう、慎重に掻き分けながら背を丸め、足音を殺して移動する。


いくらか進むと二階建ての家の塀に自然と目線が行った。そしてあらかじめ、用意してあったが如く、視線の先から迷彩服がこちらに銃を向けてくる。


だが、既に銃を構えて移動していた俺の方が一瞬、狙いを付けるのが早い。相手がこちらに狙いを付けるまでの刹那の瞬間。


腹に嘔吐くような焦燥感、恐怖、そして少しの高揚感が湧き上がる。それらを飲み込み、俺は引き金を引いた。


爆発音と共に火を噴く銃身。


――――が、銃弾は敵の横をすり抜けた。外したのだ。


直後、敵の迷彩服がこちらに銃を突き付け、発砲してきた。雨のように降り注ぐ銃弾を横に飛ぶ事で射線から身体をどうにか脱出させる。


心の中では、外すと分かっていて妙に納得する感情と、命の危機に晒され、その原因が自分であるという悔しさと後悔が同時に渦巻いていた。


そのまま、逃げる、逃げる。

周囲の仲間がどうなっているかは分からない。銃声を聞き付けたのだろう。いつの間にか、銃弾を放つ音はその数を増し、もはや何人がこちらを狙っているのかも分からない。


いつ、自分の身体が鉛で貫かれるか分からない状況。絶対的な痛みと死の恐怖を無理矢理に飲み込み、俺は必死に走った。


だが、恐れていた事態は起こる。

道路を横断し、対岸の畑へと移動しようとした直後。焼け付くような痛みが背中へと突き刺さる。


身体に穴が開き、そこから冷ややかな空気と、熱湯を注ぐような熱さが同時に襲いくる感覚。全神経が背中に集中し、俺の命が熱となって漏れ出す気がした。


―――――撃たれたっっ!!


「痛い痛い痛い痛いイタイイタイィィっッッ―――!!!!」


どうにかなりそうな意識を誤魔化すように全力で叫び、俺は再び走り出す。仲間共に走っているという意識だけが俺の足を、前へ前へと運ぶ。


だが、ガチャリ、と。

金属音。


スポットを当てたように走る俺の視界に一人の迷彩服の姿が映り込む。距離は離れているはずなのにリロード音はまるで耳元にいるのではないか、と錯覚するほどハッキリと俺の耳を捉えた。グレネードランチャーを構えたその姿に俺は直感する。


―――――こいつを仕留めなきゃ、俺は死ぬ・・・!!


瞬間が永遠かと思える程に膨れ上がり、俺は何かに引かれるように銃口を向けた。


一度、外したせいか、それとも背中に突き刺さる銃弾のせいなのか、思考はクリアだ。

恐れも外すという余計な考えも浮かばない。


―――――絶対に当たる・・・!!


恐怖よりも、確実に自分が敵を撃ち抜くという予感に俺は全身を昂らせ、引き金に力を込めた。


そして――――――――。



・・・目が覚めると俺は汗びっしょりで息を切らしていた。イヤホンを付けっぱなしで寝ていたのか、一拍遅れて、流れているcoldrainの曲が耳に入る。


寝起きでメタルの曲は雑音にしか聴こえない。しかし、流れているのがバイオハザードのゲームの主題歌である”No escape”である事に気付き、俺はイヤホンを放り投げた。


「いや・・・、こんな夢見たのこれのせいだろっ!!」


俺は寝る時にメタルの曲はかからないよう、プレイリストを作るべきだと後悔しながら、カラカラに乾いた喉を潤すため、起き上がるのだった。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る