DIARY:3 〜バイク乗ってる女の子がかっこいい話〜
いつもの仕事帰り、よく寄るコンビニに立ち寄り、コーヒーを買って飲んでいると駐車場を歩いていく女の子の姿を見つけた。
黒のライダースに細身のパンツを履いてスタイリッシュな服装。茶に染めた髪と色白の顔は黒が似合っているがチラリ、と見えた顔は幼い印象だった。
それだけなら、かっこいい子がいるなあ、で済ませていたのだがその女の子、駐車場の端にあるライトグリーンのバイクに向かって真っ直ぐ歩いていくではないか。
「え、バイク乗るの!?」
と、心の中で思ってしまったのは許して欲しい。身長も低めだし、歩き方もゆっくりで顔の印象と合わせてバイクに跨るようなイメージとは掛け離れていたからだ。
そして、コーヒーを飲んでいる俺の前でその子はヘルメットを被り、颯爽とバイクに乗り込んだ。
50CCのバイクでパイプフレームで大きく見せているものの、エンジン部分の不足感は否めない。ライトグリーンという色も普段ならどうなの、と思う色だったが不思議とその子が乗るとサマになっていた。
マフラーも改造してあるのか、ドルルン、と腹に響くエキゾーストを鳴らすバイク。そして、女の子はエンジンをいななかせながら夜の街へと走り去っていった。
さっきまで少し、人より目立つだけだったライダース少女は、バイクに乗ることで夜の風を切り裂くようなかっこいい女の子へと変貌したのだ。
あまり、バイクに興味のない自分でも、
「ちょっとバイク乗ってみたいな」
と、思うくらいにかっこよかった。人って服装や周囲の物でこんなにも変わるんだな、と思った。男女とか関係なく、純粋に綺麗だった。俺も人に少しでもあの人、かっこいいなと思って貰えるようなこだわりを持ちたいものである。
・・・ライダース、買ってみようかな、なんて。バイク乗りかっこいいと思った日だった。
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