才能の話
どうも、顔がいい女です。
皆さんは努力と才能についてどう思っているのでしょうか。どこぞの発明王さんは99%の努力と1%のナンチャラとか言ってたらしいですが、うちの彼女はこんなことを言っていました。
「努力して才能を越えられるわけがないんだよ。」
「……ほぉ。」
「努力が無意味とは言わないけどさ、才能があるっていうのはスタート地点が違うわけじゃん。」
「でもさ、ずっと努力してたら才能に追いつけるかもわからないじゃん。」
「考えてみ?才能がある人間が一切努力をしてないんだったら、スタート地点の有利さを当てにして一切動かなかったら、そしたらいつかは追いつく希望があるけど、そうじゃないじゃん。才能がある人だってそれなりに努力して走ってるんだよ。だったら才能がない側は同じ速さで走っても追いつくわけがないし、むしろ才能がある側より速く走ることを強要されるわけで、そんなの才能がある人が速く走っちゃったら追いつくわけなくなるじゃん、絶対的に不利になるわけ。」
「確かに……そうかもね。」
「私が言いたいのは……」
たっぷり溜めてから、極めて真面目な顔で彼女は言いました。
「あんたはかわいい。」
「……は?」
「私が知る限り、あんたの顔は一番いい。それを特に努力せずにキープしてる。スタート地点がおかしいくらい有利ってことだね。ほんと、素晴らしい才能だと思うよ。」
彼女は微笑んで言いました。
「才能……ねえ。そういうもんなのかねぇ。」
だとしたら、私が彼女と一緒に居て楽しいと思えるのも彼女の才能なのかな、と思いました。
以上、才能の話でした。
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