面倒な話
こんにちは、顔がいい女です。
私の一番の長所は顔がいいところで、一番の短所も顔がいいことだと考える今日この頃です。私ほど顔がいいと、老若男女問わず視線を集めてしまうどころか、中にはじろじろ見ているだけじゃ飽き足らず、声を掛けるとか、あと、柔らかく言えば「スキンシップ」とか、そういうのがまあ多くて。
彼女と一緒の時はましなんですけど、一人で居るときは本当にそういうことが多くて、なんていうか、怖いというより面倒臭い。対処する方法はいくらでも用意しているのでよほどのことがない限り大丈夫なんですが、それでもいちいち対処するために時間を割かなければいけないのが本当に面倒臭い。
一回、つい「めんどくせぇなあ」って口に出してしまったんですけど、その時の人はすぐに「すみませんでしたぁ!」って言って逃げてっちゃって。そんなに怖かったかしら。
とにかく、こんな顔をしているせいでそんなことがあるのが面倒なんです。
「どうしたもんかねえ。」
気が付いたら彼女に相談していました。
「そりゃあ簡単だよ。」
自信満々に彼女が言いました。
「他人が入ってこれないくらいイチャイチャしてたらいいんだよ。」
「……馬鹿。」
「馬鹿ってなんだよ!」
一瞬だけ、「一理あるかも」とか考えちゃった自分が居たのは置いといて。
こういうのはここまで顔がよく生まれた者の宿命なのかしら。そんな風に諦観した私でした。
以上、面倒な話でした。
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