#1 第一印象は?

浦「どうも、浦見みぎりです」

淀「淀川水面です」


浦「今回のお便り、ラジオネーム【ラジ王】さんから」

淀「腹立つ名前だな」


浦「お互いの第一印象を教えて下さい」


淀「……ラジオにかこつけて、自分が気になってる事を聞く気か」


浦「そ、そうですよ。悪いですか?」

淀「開き直りやがった」


浦「ほら、さっさと答えて下さい」


淀「第一印象、か。どうだったかな」


浦「ちなみに私は『運命って残酷だな』と思いました」


淀「……何が言いたい?」


浦「いえ、別に。何でもありません」


淀「嘘吐け」


浦「水面さんは、私を見た時にどう思ったんですか?」

淀「可愛いと思ったよ」


浦「嘘です。そんな顔してませんでした」

淀「顔に出さなかっただけだ」


浦「そんな器用な真似、出来ないでしょう」


淀「え? 出来てない?」

浦「出来てません。照れると、すぐ顔が赤くなります」


淀「マジか……」


浦「私を見習って下さい」

淀「お前こそ簡単に赤くなってるぞ」

浦「血色が良いだけです」


淀「どっちかと言えば血色は悪い方だろ」

浦「そんな事ありません。健康快活清楚系美少女です」

淀「いや、違う。お前は不健康陰鬱教祖系美少女だ」


浦「美少女は固定なんですね」

淀「主観的事実だからな」


浦「客観的に見れば美少女ではないと?」

淀「本当の意味で客観的な視点なんか、誰も持つ事は出来ない。人の数だけ主観がある」


浦「歪んだ主観で褒められても、素直に喜べません」


淀「おい、勝手に俺の主観を歪ませるな」

浦「歪んでいないんですか?」

淀「……歪んでいない人間など存在しない」 


浦「貴方は人一倍歪んでますよ」


淀「後悔は無い。歪んでいなければ、お前に会えなかったんだから」


浦「……きゅ、急にどうしたんですか? これ、ラジオですよ?」

淀「いいんだよ。どうせ誰も聞いてないんだから」


浦「会った時より歪みが悪化してます」

淀「お前のせいだ」


浦「自分の失敗を、人のせいにしないで下さい」


淀「人の失敗を執拗に咎めない方が良いぞ。自分が失敗した時、逃げ道を失うから」

浦「そうやって、自分が咎められないように予防線を張っているんですね。姑息です」


淀「うるせぇ」


浦「……落ち着いて話せないから、一回ラジオ止めます」


淀「お前ラジオ向いてないよ」


浦「うるさいです」

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