第2話 謁見…

「勇者よ!よくぞ魔王を倒してくれた!約束どおり褒美をとらせよう!」

王は満面の笑みで俺らを迎え入れた。

「あっけない最期でしたねー…」

「同情したくなる…」

「ありがたき幸せです!!」

二人ほど暗かったが、それ以外はものすごく盛り上がっていた。うんうん。明るいのはいいことだ。

「今日一日はのんびり過ごしてくれ。大儀であった。疲れもある事だろう。宴は明日開くとする。」

王がそう言うと、傍らから大きな袋を持った兵士が三人現れる。

「各々白金貨百枚ずつある。好きに使ってくれ」(白金貨1枚=百万円相当)

「わあ」

グレイは袋の仲間身を

「すごいなこりゃ…」

「おぬしらの働きに比べたら、少ないやもしれぬが、我が国も財政難でな。すまない…」

「何言ってるんですか!苦しいのならこのお金も国のために使ってください!」

グレイのヤツめ。さっきまで白金貨百枚!いえーい!!!みたいな表情してたくせに。

「そうですよ!魔物がいない今、俺たちにこんな大金は必要ありません!」

ケインも続く。


「え?お前らいらねぇの?じゃ、俺だけもらうわ」

 

まぁ、俺は続かねぇけど。


「「・・・・・・・・・・・・・」」

「おぬしら…」

王様、泣いてたせいで最後の言葉も間違って聞こえたようだ。

「・・・・・・・・・・・・」

その場には王様の泣く声だけが響いていた。

「ううっ。すまぬな。折角の勇者が帰還した時だというのに・・・。戻ってもらって構わんぞ・・・」

「「はっ」」

二人がそう言うと俺たち三人は玉座の間を出る。

こうして、勇者たちの冒険は終わったのである。






「「なにしてんのお前!!!!!??????」」


「何って。部屋から出ただけだけど…」

「それじゃねえよ!なんでお金返さないの!?」

「あなたはクソですか!!」

なんかめっちゃ怒ってる。

あれ?俺またなんかやっちゃいました?

「この国、財政難だって言ってたじゃねーか!」

「この国が亡ぼうが、俺が楽しければよくね?」

「ゴミだな!紛うことなきゴミだな!」

「見損ないました!!五年前から生きるゴミだとは思ってましたが、完全に見損ないました!!!!!」

「でもさ、実際問題。俺らこれから、どうやって食っていくわけ?戦うしか能のない俺らに未来なんて…」

俺はそうやって奴らを論破しにかかる

…が。

「えーと、私医者になろうと思ってます。折角僧侶として自信のつく立場につけましたし、この経験を生かそうかな、と」

「え」

「俺は自衛隊に入ろうと思う。魔物がいなくなったって紛争とかは起きてるわけだしな」

「いいですね!かっこいいです!!私もそっちで医療系やろうかなーなんて…」

おいそこ、

「いいじゃないか!てかお前普通に戦えるんだし一緒に仕事しよーぜ!」

「そ、そうですかね…?じゃ、じゃあ本当に…」

あ、言い忘れてたが二人は愛し合っている。お互いそのことは知らないが。

「へぇ。お前らにそんな夢が。それなら金をもらわなかったのも納得だ。いいんじゃね?」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」

「じゃ、今日はもう寝るわ。おやすみー」

そう言って俺は宿に戻った。


「ことごとくクソですね」

「同感だけどよ、女子がクソなんて言うもんじゃないぞ。」

「じょ…そ、そうかな…えへへ」

リア充め爆ぜろ。

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