どうしようもない大魔王討伐への道

空津 終

第1話 勢いで進むプロローグ

 「ここが…玉座の間…」

勇者べリスは魔王討伐を目前としていた。

「べリスさま!もうすぐ私たちの長かった旅もおしまいです!みんなで生きて帰りますよ!」

「おうともさ。ヤツさえ倒せば世界は平和になり、俺たちは英雄になる…行くぞべリス!」

へへっと笑うと、戦士ケインは斧を肩に担ぐ。

「もう!だめですよ!気を引き締めないと!」

僧侶グレイの方はしっかりと気を張っているようだ。

「わーてるってー。さ、扉を開けるぞ」

そういうとさっきまでのおちゃらけた雰囲気はなくなり、真剣な顔つきでケインは戸を開いた。

ギイィという重い音の後に、彼らはうす暗い部屋にたどり着いた。

「行くぞ!!!」

「行きましょう!!!」

そんな彼らが元気にそう言って、後ろを振り向くと…

「大丈夫。俺は勇者だ魔王だって倒せる。そうだよ。仲間だってついてる……

…でもケインってちょくちょくこけるしな。グレイのヤツだって相手に全回復魔法かけることもあるし…

残りちょっとのところでやられたら詰むやんもうこれ無理なんじゃね?いやでも…今まではうまく行ったし…あーこええこのまま逃げてえダレカタスケテー」

なんか変なのがめっちゃ元気なかった。

「べリスさまぁああああああああ!!!!!????」

「戦闘中最後にコケたの二年も前だろ!?」

「私に関しては四年ですぅううううう!!!元気出してくださいいいいいいいい」


「そっか。いけるよな。ウン大丈夫だ。しゃいくぜぇえええええ!!!!!!」

「べリス!!!!一人で突っ込むな!!!」

さっきのテンションどうしたというレベルのハイテンションでべリスは魔王めがけて突っ込んでいった。


「グハハハハーー!!勇者よ!よくぞここまで…


「くたばれえええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!」

「え、あの、ちょ。え。台詞くらい言わせ…」


    


          


 「ゆうしゃ は まおう を ぶっ殺した」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る