エピローグ

青年が去って、また主人と私だけになっていた。しかし、少し前の私とは何かが違っていた。「これまでの自分を疑い、そして、本当の自分自身の幸せを追い求めなければ、もはや死んでも死にきれないと。」私は心の中でそう誓っていた。そして、主人に挨拶して帰ろうとした。

「お待ちなさい。あなたは、今わかりましたね。本当のあなたの幸せがどうあるべきかを。」そう言いながら主人は私の方に歩いてきた。

「次はあなたが誰かを救う番ですよ。」主人は、そう言ってその場を立ち去ってしまった。

私の記憶は、そこで無くなっていた。

しかし、次の日、私は、会社に退職願を提出していた。

それから、もう20年が経ちました。私はこの不思議な話が、誰かの為になればと深く思っています。

それでは皆さんお元気で。

私は、今から屋台を出す準備がありますのでこれで失礼します。       

         某年某月某日 真木信雄

               

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