第310話 ジャパーネ訪問
ワープした先はタカトウの国ジャパーネの首都だった。
そこは元々の機械文明の高層ビルに、魔法文明が少し混ざった感じの都市だった。
なんとなく日本的な雰囲気も持っている。
そこは日本のパラレルワールドという位置付けだからなのだろう。
首都は未だ戦果には晒された様子はなかったが、都市部を取り囲む背の高い壁や、その壁に等間隔で設置されている魔導砲などから、臨戦態勢にあることが伺われた。
そして、その壁の外には破壊され朽ち果てた
どうやら首都の喉元を突かれないようにと意図的に
これならば、この世界から
俺たちは、その首都の壁の中上空にワープアウトしていた。
飛行甲板に屋敷と森や畑を抱えたキルトタルは異様に見える事だろう。
『タカトウ、国の偉いさんとの対談をブッキングしてもらえるか?』
『何を話すつもりだ?』
俺はこの国のトップと話し合って、MAOシステムの侵入経路と成り得る
『
『やはり
この世界が
そして、あまりに多くの同胞を別世界に派遣しすぎているのだ。
資源の確保と彼らの安全な帰還なくては、この国の元首も
『この世界を守るためには、そうするしかない。
『ワープに関しては技術供与してくれるということか?』
『いや、俺からの提供のみ、ワープ先は限定となる。
勝手に別世界に行かれてMAOシステムにワープ装置を奪われたら終わりだからな』
自由にワープを使えれば、つい別世界を探索したくなる。
まさに
『たしかにそうだな。
やれやれ、気が進まないが兄貴に頼むとするか』
タカトウ、なんだそれは?
もしかして、タカトウはこの国の政治中枢にコネがあるのか?
『誰か伝手があるのか?』
『俺は勇者の血筋だって言っただろ?
俺の一族が国の中枢で働いてるんだよ』
『まさか、国家元首なんてことはないよな?』
『なんだよ、つまらないな。
後で驚かせようと思ったのに』
こいつ、急に馴れ馴れしくなったな。
一度は俺を殺そうとしたくせに、もう忘れやがったのか。
だが、中枢へのコネは最大限に使わせてもらおうか。
『頼む。一刻も早く
『やれやれ、許可が出なくても勝手に破壊して回りそうだからな』
タカトウが溜息交じりにそう言いやがった。
たしかにその通りなんだけどな。
時間がかかるならば、面倒なことは端折って
『お、首都警備艦隊がやって来たぞ。
俺が前に出る。そろそろ艦の制御を返してくれ』
俺たちの前に陸上戦艦が5艦やって来た。
キルトタルとエリュシオンを不審がっているようだが、タカトウ艦もいるので武器は向けて来てはいない。
『タカトウ艦の制御をタカトウに返す。
また俺を撃とうとするなよ?』
『もう懲りたよ!』
タカトウはオープン回線で俺に聞こえるように首都警備艦隊と交渉をした。
そこで、タカトウがこの国の王子であることが発覚した。
第8勇者の国で勇者の末裔なんだから、そりゃそうか。
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