03 終 結果発表
「お」
「あ」
「コンビニか」
「うん。コンビニ」
「そっちはどうだ」
「そろそろ飽きてきたし、連絡しようかなって」
「そうか。俺もしようかな」
「相変わらず適当な仕事してるわね」
「
「電話を」
コンビニの、未成年に見える店長。電話が、出てくる。
「わたしからいくぜ」
「どうぞどうぞ」
「どうも。
『はい。こちら官邸情報室』
「秘匿回線から失礼します。内偵の結果を伝えます」
『了解しました。音声認証。内偵先は中企業と大企業の中間ぐらいのシステム会社。よろしいですね?』
「その通りです」
『結果をどうぞ』
「生きていける会社です。特に、中期に入った会社の屋台骨になる中堅が強いです。システム開発のみにとらわれず、各社間の連携を取ろうとする良性の
『ほう。いい会社ですね。問題は何かありますか?』
「一点だけ。取締役の家族経営がだめだめです。これのせいで中堅社員が苦労しています。一掃すべきです。最近だと
『あ、それに関しては大丈夫です。K社って、うちのことですから』
「あ、官邸だからK社なのね」
『ばかみたいにでかい餌でも、ばかは引っ掛かるらしいですね。あなたの内偵結果で裏がとれました。すぐに対処します』
「よろしくお願いします」
「次は俺だ」
電話。番号を入れ直す。
「
『なんでわしなんだよ。もっとさあ、若い女の子の大臣呼び出すとかさあ、あるでしょうが』
「爺案件なんだよ。おまちかねの内偵結果だ」
『待ってねえよ。お前が勝手に潜入してんだろうが』
「真っ黒だ。新進のベンチャーを装っているが、中身はクラックテロリストの一斉集会さ」
『え、なにそれ』
「社長のラップトップはマルウェアとスパイウェアまみれ。女性社員は全員、
『こわいこわい。こわすぎるんだけど。なにそれ。どこの企業だよ』
「今日厚労で表彰されるってさ。なんちゃら平等制限だかで」
『うわああああ』
「な。耳寄りな情報だろ?」
『わしじゃん。賞状渡すの。いま現職の女性大臣はホテルでBLの間に挟まってて、賞状渡す代理わしだよ。どうしよう』
「まあ、そういうことだから。早めにつぶしておかないと、この国のインフラつぶれるぜ。既に車載システムと電子キャッシュ決済が最終チェックに入ってる。販路に乗ったらこの国の交通と電子マネーが、ぼかん、だ」
『うわあ。なんだそれ。ありがとう。表彰の場で逮捕してやる』
「せめて法務の許可はとれよ?」
『わしは法務の代理もしてるから。いけるいける』
電話が、切れた。
「そっちは良い企業だったみたいだな」
「そっちはやばい企業みたいね」
「まあ、とりあえず内偵は終わりだ」
「この後空いてる?」
「またかよ」
「いいじゃないの。たまには」
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