一件落着かな?残念だけど・・・帰りますか。

 ウネウネウネ・・・


 爆心地?の跡・・・・小さいジェル状の物体がうごめいている。


『ふふふっ、ギル様もやりますなぁ。あの怪物をたおすとわ。おっとこれ王に頼まれた死骸を・・・・生きてるんじゃないか?まぁ、あの男には手を焼いてたから丁度よかったよ・・・今のうち楽しんどくことですな』

 そのまま、その謎の人物はゆったりと王都の方に歩いていくのだった。


 ____________________________________


 そのころ、街に戻ったコウイチは、凱旋状態で歓迎されていた。


「うわぁ~ん!恥ずかしい・・・何でこんなことに」


「まぁまぁ、良いじゃないの、歓迎されるの良い事じゃない。あんなに街壊しても歓迎されるなんて、あの男は相当嫌われてたみたいですね」

 しみじみと語るマイさん。


「そうだね。あとは、いきのこった女性たちのケアだね。元気になれたらいいんだけど」

 今住んでる街の最初の事件、ゴブリン討伐の女性たちの事を思い出してた。

 しかし、女性は強い!!絶対立ち直るはずだ!全力でサポートするよ!


「この度は、この街を救っていただき有難うございます。まさか、一国を束ねる王だったとわ」

 おじいさんが、屋敷の前で待っていた。


「いやいや、王だなんて俺は、普通の男だよ。ささ!女性の所に連れて行って」


「こちらです。別館に皆を集めております」

 おじいさんの後ろに付いていき別館に入っていくと部屋に4・5人ずつベットなどに寝ている。


「ふえ~相当捕まえてやがったな、あの屑は・・・」


「酷い順に回るから」

 おじいさんに、右の部屋の手前からが腕や目など損傷してる子たちがいるらしい。


「こんにちは!だいじょうぶかな。もう少しの辛抱だからね」

 どうも、声は聞こえるけど返事は出来ないみたいだ・・・


「シャール、時を戻す魔法おしえて」


『はいは~い!デバイスのボタンとボイスどっちがいい?』

 うん、覚えるの無理だから。


「ボイスで!」


『ならね!(時よ戻れ!我は時を統べるもの!!トゥレレツゥララ!我の望みに答えよ・・・・・以下略)はい!』

 え?長くない?やっぱり!高度な魔法だからかな、中二病全開だけど、みんなの為だ書き留めたし・・・・僕頑張る。


「でも長いよ~」


『・・・・やっぱり?(タイムバック)でいいよ!そう!時計が巻き戻るのをイメージしてね』

 嫌がらせかな?よし、これなら


「タイムバック!!」

 女性たちが、にょきにょきと腕や目がえぐれた胸が再生してくる。

 再生が終わったら、順番に止めていく。


「綺麗に再生したね。まぁ記憶もなくなるけどね・・・でも、つらい思い出は消えるけど、愛した男たちがいないことに気づいたら・・・」

 おれも、そんなことになったら如何するんだろ・・・


「大丈夫よ。頑張りましょう!あなた、わたしも手伝いますし他にも、仲間がいるじゃない!」

 そうだね、一人じゃないよね。

 つぎつぎ、回復させていく。とうとう最後の部屋に行く。ここまで、つらい記憶を消したい女性ばかりだった。なので、ほぼ全員がタイムバックの魔法で記憶と傷を治しささやかな、助成金を渡した。因みに全部佐藤の財産&足りない分はポケットマネーから出した。


 最初は、彼氏や婚約者が死んでいたことを嘆き絶望する女性や、奇跡的に、生きていた女性の彼氏は迎えに来て熱い抱擁をし、俺に感謝の挨拶をこれでもかとしていった。


 ひとり身になった子たちは、仕事の斡旋などを、村長にも頼んでおいた。


 最後は、ドーラが偵察したときに居た女性たちが結構いた。半数は記憶を消してやり。

 あの、愛した男を目の前で消され媚薬にも負けづに頑張った女性がいた。


「私たちは、この記憶をこのままでお願いします。そして、ここで犠牲になった女性体のサポートしたいと思っています。」


「いんじゃないかな?困ったら気軽に言ってね~はい!これが薬飲んだら欠損部分が再生し治っていくからね」

 迷いもせず一気に飲んでいく。

「じゃぁ!リーダーは君に任せようかな?名前は何かな?」


「私の名は『ネ』です。」

 ネ?一文字?江戸時代みたいだな。


「それじゃ、生まれ変わった気持ちで『ネフィ』に変えよう。だめかな?」

 人の名前変えるのは、どうかと思ったけど・・・なんとなく。


「かしこまりました。今から、ネフィと名を変えます」


「そうだ!家族に伝えないと!」

 思い付きで、名を返させたから謝らなきゃ。


「いえ、家族と言えるのは・・・彼だけでした」

 涙ぐむ彼女はぐっとこらえる。


「とりあえず、これ、マニュアルね。住むところは、あ~ここに一時住んでもらうか、家があるなら戻ってもいい」


「わかりました。その前に、お願いがあります」

 うん?なにかな?


「体が震えるのです。落ち着くまで、しばらく私たちの近くに居てくださいませんか?」

 う~ん、もう少しでミズキの国の人間が街に来るから戻らないといけないしなぁ。


『いいよ!こっちは、わたしが話付けておくわ。何かあったら、連絡する』


「じゃ!頼む。マイさん、いいかな?」


「あなたとなら、どこでもいいわ」

 嬉しい事言ってくれるぜ!!

 少しこの街に滞在することになった。




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