新婚旅行!街に着いたよ。

 ふぇ~!!塀が高いな。


 バイクを、バックに直してイチャイチャしながら街に着いた、こんなに有意義な時間は久しぶりだよ!ほんとだよ。


 正面の門での入門検査を受けて関税も払い入ろうかしたら目の前に日本語で『佐藤村へようこそ』と書いてある・・・あれぇ?


「あなた、あんな文字初めて見るのだけど何と書いてあるの?」

 顔の角度を変えながら、必死に読もうとする。


「うん、読めないよ。何だろうね?」

 うん、嘘ですごめんなさい。


 中に入ると、女女女・・・・


「あなた、男性が少ないですね、みんな出稼ぎか狩りにでも行ってるのかしら?」

 本当に男が少ない、どうしたんだろう?しかも、活気がないね。


「そこの人、早くここを出るのじゃ」

 後ろから、しわがれた声が聞こえたから振り返ると、お爺さんが居た。


 服装が、思いっきり浮浪者だけど、長年の勘で高貴なオーラが出ていた。


「なんで、ここを出ろと?今来たばかりなんだけど」

 お爺さんは、素早く近くにきて小声で言ってくる。


「お前さん、綺麗な女性連れてるから、狙われる前に出ていくのじゃ」

 う~ん、話は見えないわけではないけどね。おじいさん見どころあるね!うちの奥さん可愛いでしょ。


「二年ほど前に、一人の男が現れて黒髪、黒目で珍しい男じゃった、当時わしは、この辺りを統括する領主じゃったのだが、最初面倒見てやってた時はおとなしかったのじゃが、自分は『陰キャ』だからとか『引きこもり』だの、わけわからん事言っておったが半年ほどたつと、魔法やらワシたちが知らない知識を使用してきてな、一気にこの辺りが発展したのじゃ」


 あれあれぇ?何だこのテンプレ展開は。


「最初は、よかったのじゃ。みんな豊かになって発展していったのじゃが・・・わしの、孫娘と恋仲になってな・・・婚約し結婚しトントンと初夜迄進んだのじゃ・・・」


 あ~やばい展開だな。


「ひ孫を楽しみにしてた、わしは目を疑った。その男は屋敷で女たちを連れ込んで乱交しておったのじゃ!孫娘は、そっちのけにして」


 うわ!やっちゃいなよ!お爺さん。でも話し長いな。


「そこで、兵を出し追放しようとしたが、奴は強すぎた。『ハーレム最高だ!!もうこんな生活手放さね!これから、欲しいものは手に入れる!!スローライフだ!』といって、手あたり次第美女や美少女をかき集めておる」


 ふむだから逃げろと・・・


「おじいさんは、このままでいいのかな?」

 俺は聞いてみる。


「孫娘は、良い人を見つけ再婚して幸せにしておるのが、ほかの元婚約者たちが、かわいそうじゃ!!あやつを、わしが招き入れなければ・・・と思うと胸が締め付けられる思いじゃ・・・このままじゃ、死んでも死にきれない」

 よほど悔しいのか、ほろほろと涙を流す。


「安請け合いじゃないけど、ほっといたら俺の村にも被害が出そうだ、お爺さんほんの少しだけど、手を貸してやるよ」

 そこで喜んでくれるかと思いきや。


「だめじゃ!逃げるのじゃ!抜け道を知っておる、もう門番が奥方の情報を、あやつに届いてるはずじゃ!!」


「追いかけてこない保証はないよね?ここで潰す改心するなら生かす」


「だめじゃ!あやつは一個小隊は一振りで殺してしまうんじゃ」


「気づかれなきゃいいんだよね?俺の為でもある、いいよね?マイさん」

 振り向くと、マイさんが超怒っている。


「あなた!やっちゃいましょう!!」

 うん、やる気十分だね!!ペンダントもあるし、しかも、マイさん強い!


 ようし、ちゃちゃっとやっちゃいますか。


「泊るところあるのか?宿は危険じゃからワシの隠れ家に来なさい」


 そして、お爺さんの隠れ家に行くのだった。


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