帰ってきたよ、マイさん

 城を抜け、ワイバーンの待つ場所まで到着した。


「お待ちしておりました。残りの方は?」


「さきに、街まで転移している、この子を連れていくけど気にしないでくれ」


「かしこまりました、ではこちらへ、一番早いワイバーン用意してあります」


 そのまま、かごに乗り目的地へ。


「キャー速い!!落ちる~!」

 ミズキさんは、しっかり俺に掴んでいる、たわわな胸があたって、役得です。


「大丈夫、シートベルトしてるから落ちないよ」

 街に着くまで、歯をカチカチしていた。漏らさないでよかったよ。


「おかえりなさい、あなた!!」

 駆け寄ってくる、マイさんは目前に止まり般若の顔に変わっていく・・・


「その子誰?・・・」


 いやいや忘れないで!俺が別行動した理由を!!痛い、つねらないで!!


「この子が、囚われの姫だよ!嫌がらせで、連れて来たんだよ!!思い出して!!」


「・・・・そうでした、知ってましたよ~もちろん、えぇ信じてましたよ!!」

 まぁ、こんなかわいい子を連れて来たらビックリしちゃうよね、俺も、マイさんの横に、イケメンがいたらヤキモチ焼くだろうし・・・


「ごめんね、心配させて無事についたよ」

 そのまま抱きしめて・・・キスをしまくった。

「はぅ~ぎるさまぁ~」

 猫のように頬ずりしながら・・・・キッとミズキを見て。


「私は、マイと申します、あなたは?」


「わたしは、バズクラ帝国第一王女ミズキ・ド・バズクラと申します」


「申し訳ありません、そんな高貴な方とは・・・」

 顔が青褪める。


「大丈夫よ、怒ってないわ恋人の横に、いきなり女がいたら怒るわよ・・・もちろん、あなたの旦那様、すてきだと思うけど・・・怖いから・・・いいわ」


「こわい?やさしくて、弱虫だったと思うけど・・・最近ワイルドになってる気はするけど~」

 首をかしげながら悩む。


「あれがワイルド・・・まぁいいわ、これから、少しお世話になりますわ」


「こちらこそ」

 挨拶をしあう二人、よかった仲良くなって。


「じゃぁ、村長に会いに行こう」


 門番に通してもらい、村長に会う。


「ギル様、いいえ、コウイチ様お帰りなさいませ」

 そのまま膝をつき、お辞儀をする。


「えっ?コウイチ様?名前ギルじゃないの?」


「コウイチ様は、この国の創立者!になるお方!!まだ、名前はないのですが、今この瞬間からのろしが上がるのです!!」


「ちょっとまてぇ!どうしてそうなっているの?」

 いやいや待てよ、流れはそんな感じだったけど、流されてはダメだ!


「えっ?そのためにバズクラ帝国の姫君を、助けて来たのではないのですか?もう、バズクラ帝国に使者を出しております、1週間後には、こちらに報告が来ますし・・・迎えの物も来ると思いますが・・・」


「それは、助かるわ、せっかくだからここで、本読んで待ってるわ、それが一つの約束だったわよね、どんな本があるの?」

 ワクワクしながら、聞いてくる。うん、俺も知りたい。


「最近新しいのが出来ましたぞ、まだ量産されてませんが、マンガを作っておりますぞ!コウイチ様が、売れない画家に話してた事を工夫して紙に絵をかいて、セリフを書いて、薄い本ができております。まずは英雄譚を書いたら好評だったみたいで、画家も創作欲が燃え上がり、書いております」


「なら、それを見せて!!」

 ふんすっ!


「いま、ちょうどこの城にあります、おい!持ってこい」


「はい!いますぐに」

 丁稚が、走りすぐ戻ってくる。


「こちらです」

 さっと、俺に渡してさがる。

「うん、まだ固いな、でももう少し丸みを帯びて・・・」

 ぶつぶつ考えていたら。


「早く渡しなさいよ!」

 がっと本を、奪うミズキさん目が血走って怖い。


「・・・・・・・・・」

 どうしたんだ?


「これは、いいわ!!分かりやすい、これがもっと出来たら、そしてこの羊皮紙・・・手触りがなんだか違うわね」

 裏表を見ながら。


「それは、植物を使った紙ですよ、こちらの作り方もギルドに登録してあるので、もしも、隠れて作ったら・・・戦争ですな!ガハハハッ」

 こわいなぁ、丸いのに。


「すばらしい!ここに住むわ!ここで、本私も作るわ」

 いやいやダメでしょ!


「ふふふっ!最近この街に学校を作りました!!教師も、人間だけではなく亜人の方々も居るので、魔法文化も他国の学園よりも進んでおります」

 すごい!部下がしっかりしてると、何もしなくても発展していくすばらしいね。


「これも、コウイチ様からの知恵の一端、まだまだ、こちらも準備しております、お楽しみにお待ちください」

 ニヤニヤしている。村長・・・結構優秀だな。


「村長もここまで来たら、村長と言えないな」


「村長で」


「はいはい」


「村長、お風呂ってあるかな?」


「城内に用意してあります、お湯も魔法具ですぐに準備できます。奥様と一緒に入ってはいかがですが?」


「キャー!気が利くはクルーラさん!!」


「クルーラさん?だれ?」

 キョトンとしていると・・・


「村長さんの名前ですよ!」

 衝撃的事実!!!発覚!!!!

 おれ、自覚はないけど一応主人だよね?なんで、俺には教えてくれないの?


「さぁ!行きましょう!」


「おう!」

 ウキウキしながら、二人歩いていく。


「ミズキ様も、ゲスト用のお風呂用意してありますので、この侍女に」


「お嬢様こちらへ」


「私、もう少し本を読むわ」


「お嬢様こちらへ」


「はい」

 そのまま連れていかれお風呂から出てくるころには・・・


「なにこれ?髪つやつや!!」

 質問攻めが、続くのであった。




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