閑話 元ペンダントの元持ち主

 わたしは、ペンダントに宿る者・・・いえ、元持ち主と言えばいいかしら?

 名前?忘れたわ、数えるのも億劫になるほど昔だもの・・・


 将来を誓い合った婚約者から、財産をはたいて買ってくれた、私の身を案じて色々能力がついてるらしい。


 幸せの絶頂の結婚式に事件が起きた。


 領主の、息子たちが乱入し私たちの幸せを壊された。


「俺の、プロポーズは断ってこんな貧乏くさい男と一緒になるのか、許されないな」

 そのまま、婚約者の顔を蹴る。


「私は、死んでもあなたの物に何てならないわ!!彼を離して!」


「ダメだ、もっとだ、このままでは気が収まらない」

 今度は、複数が婚約者を殴る蹴るを繰り返す。


「俺はこのまま、死んでもいいだけど、彼女を自由にしてくれ・・」


「ほざけ、どうせ俺の物にならないなら、死ね」


 領主の息子が、剣を振りかぶる。でも大丈夫、私にはペンダントがある『絶対防御』があるから、悪意のある攻撃ははじくはずよ。


『グシャ!』

 果物を、鈍器でつぶすような鈍い音が、そしてそのまま赤い液体が流れてくる。


「!!どうして出てきたの、あなたからもらった、ペンダントが守ってくれたのに」


「ごめん、忘れてた・・・てへっ・・・ごめんね生きて・・・」

 最後の最後までおちゃめの人、わたし生きるわ・・・


「興覚めだ、この女連れてこい」


「へい」

 そして、連れていかれながら村人たちは、無念そうに見ている。


『いいのよ、これがこの世界の摂理逆らっては生きられないの・・・でも・・あきらめないわ』


 そのまま、別館に連れていかれ領主の息子に犯された。


「なんだこいつ、処女じゃないじゃないか、こんな中古はいらねぇ」


 そう言いながら、何度も何度も犯し、飽きたら今度は部下たちにまわし、毎日犯された・・・


 どのくらい日にちがたったのか、分からないでも生きている。最近おなかも大きくなってきた・・・あいつらの誰かの子供ができたみたい・・・でもこの子に罪はない。


 彼からの、プレゼントのペンダントのおかげで生き延びている。


「はぁ、逃げたいけどこの鎖が切れないのよね・・」


 その晩、領主の息子が来た。


「なんだ、まじで腹がデカくなってやがる。もう、潮時だな」


『グシュ』

 おなかに、貫通している・・・なにこれ?

「なんだ?傷がふさがるな?なんでだ・・・」

 微かに、光っているペンダント。


「何を握っている?」

 今度は、腕を切り落とされた、そのまま握っていたペンダントを落とした。

「きたねぇ、ペンダントだな!」


「わたしの、絆を汚いだと!!汚いのは、お前たちだ!!汚い人間どもめ!」

 堰を切ったダムのように怒りがあふれてくる。憎悪が、怒りがこみ上げる。


「貴族様に向かって、その口の聞き様は」

 次に、足を切り落とす切れない剣で切ってくるから、なかなか切れない、相当痛いはずだか痛みは感じない・・・感じるのは、憎しみだけだ


『復習してやる!あの人を殺し罪もない子も殺す人間など嫌いだ!このままじゃ、オワラセナイ』

 そのまま、火をつけられて燃えながらも・・・

『ころすころすころす・・・・』

 そのまま、息絶えるかと思えば黒い靄になり思い出のペンダントに取りついた。

『アアア、ネムイ』


「良く見たら、このペンダントなかなかの品物ではないか!よし、加工屋に出して相応しい物に変えて、嫁にやるか」


 _________________


「きゃははは!!おとうさま!こっちです!!」


「はははは!!かわいい子だ」


「あなた、あの子も14歳です。もう婚約者も決まりうちも安泰ですね」


「そうだな、後二人ほど頑張ってもらおうかな」


 幸せそうにしている、領主の息子・・・もう家督も継いで領主になっていた。

 その嫁には、例のペンダントが輝いている。


『アアアア、アカルイ・・・ココハ・・・ドコ』

 久しぶり目覚めた、私は周りを見る。

『コドモ?ダレノ・・・・』

 こいつは、領主の息子!少し老けてるが間違いない!!


 ざわざわざわ・・・周りの景色が暗くなっていく・・・


「なに?いきなり暗くなっていくなんて」


「あなた怖いわ」「お父様こわい」

 夫人の、ペンダントから黒い靄が出てくる。


『オマエハ、アノリョウシュノムスコカ・・・』


「誰だ!お前は!!!」

 こいつ、覚えてないのか・・・・


『オマエガ、ナカマト、ワタシヲオカシテコロシタ、オンナノコトワスレタノカ』


「まさか!あの時死んだはずではないか!」

 汗を、だらだら流しながら、助けを呼ぶ。


「旦那様、大丈夫ですか!」


「あいつをやれ!」


 私に向かって、剣を魔法を放ってくるが効かない、しかも魔法は弾く剣はすきとおる。


「ばけもの!!!」

 逃げていく護衛たち。


「オイ逃げるな!!」

 その後ろには、失禁している、婦人と子供・・・憎しみが出てくる。


「おとうさま!たすけて~」

 そのまま逆さに持ち上げ・・・落ちていた剣を、膣から剣をさす。

「あががが・・・」

 そのまま絶命していく。


「なぜ娘を、やめてくれ!!」


「オマエハ、ヤメテクレタノカ」


 そのあと、夫人も捕まえ四肢を切り落とす・・・


「あなた痛い痛い!!」


「おれは、たすけてくれ、あの時のことは謝る、何でもするだから俺だけは!!」


 やっぱり、屑だわ。


『イイワ、タスケテアゲル』


 そのまま、領主の首を切り落とすと、即呪いをかけて首の上だけ生かした、アンデットとして。


『イカシテアゲタワ、デモ、イッショウソノママデ、スゴスノネ』


「いたい!いたい!殺してくれ!!」


『ナラ、アナタノナカマノイバショオシエテクレタラ、タスケテアゲル』


「しゃべるから!」

 すべて聞いて、領主の屋敷で働いているようだ。


 そのまま、サイコキネシスで穴を掘り頭をポイといれる。


「しゃべったではないか!!」


『ユルスワケナイ』

 土をかぶせて・・・

 残りを殺した。


 もう、思い残すことはないと眠りについた。


 そのまま、所有者を転々とし、私を持つと不幸になる呪いが付き転々としていた。因みに私は何もしていない。手を出したのは、あの領主たちだけ・・・私自身が不幸体質だったみたいだ。

 そして、運ばれてる最中ゴブリンに襲われた。そのまま、暗いところに入れられて眠っていたら、少年に拾われて・・・なぜか、毎朝聖水かけられて、話してくる。


 なぜか、黒い靄が減っていき、人間に対しての憎しみが減っていき自分でも不幸体質がなくなった気がする・・・その分、力もなくなった気がするけど・・・このまま成仏するのかなぁと考えていたら。


 男の娘の思い人が、死にかけている!!この子達に、私みたいになってもらいたくない!そう思ったら、白い靄になって、女の子の中に入って悪意を取り除き彼女も助かったみたいだ。毒で傷ついた体は、ペンダントで修復され元の姿に戻っていく。


『よかったわ』


 男の子の耳元で『この子を守ってね』呟いて消えようとしたら


 そのまま、ペンダントに吸い込まれた・・・


『あれれ?成仏できないの?なんだかまだ眠いかも・・・』


 そのまま、眠りにつく私は『幸せになりなさいよ』と思いながら眠りにつくのだった。





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