脱走に向けて11歳の訓練

 前世の記憶が戻り、性格が変わり周りから変な目で見られてるが気にしないで日々すごしてると、次男のメイアが声をかけてきた。さすが王族なのかイケメンだよ俺のほうがイケメンだがな・・・嘘です。

「よう!愚弟よ最近何か企んでるのか?」

 何言ってんだこいつは?

「小鳥が、さえずるのだよ下界でお前に似た男がいるだの、ダンジョンで奇妙な叫びあげて魔物と戦っている小さい子供がいるとかな」

 ギクッ!確かに、前世の影響で活発に行動している、ちょっと前の俺はびくびくしながら生きていた、しかもだ!今まで『僕』だったのが『俺』に変わるならなおさらだろう。


「いえいえ、兄上僕がそんなに、活発なわけではないですか?何処の小鳥ですかね~撃ち落とすしかありませんね?」

「そこだよ!最近僕なんて言ってなかっただろ、それに撃ち落とすなんて好戦的なこと言わず、チワワのようにプルプルしてたでわないか」

 ジトっと見てくる・・・

「あははっ!兄上の意地悪な男は三日になんたらと言うことわざがあるじゃないですか!」

 馬鹿にしたような目で見てくるくそ兄貴

「男子三日会わざれば刮目してみよじゃないか?確かに、お前とはなかなか会わないからな まぁ精進するんだな」

 そして横を通り過ぎていくと・・・「わたしの、邪魔をするなよ」と耳元でさえずりやがるからイラっとしながらも笑顔で。

「もちろんです、兄上」とご機嫌で去っていった。


『くそが!早く出てってやる』と心で思いながら、後ろからマイが

「ご立派です、よく我慢なされました」

「まぁな!無駄な争いは嫌いだからな、にししし」

「この間、とあるところで『おれ絞めてやったぜ』とか言ってたじゃないですか」

 おいおい遠回しのつもりかもしれないが、ばれちゃうから本当にバレちゃうから!!

「とあるところは、わからないけどぉ~むやみに、意味わからないこと言わないこと!いいね」

「よくわかりませんが・・・わかりました」ニヤニヤしながら言っている。

「今日、とあるところにまた行ってくるからヨロシクね!」


「はい、かしこまりました、また一人待ってます」泣き真似しながら自室迄ついてくる。

 色々準備して分身魔法がレベルアップして影ゴーレムがリアルになった、我ながら怖い。

 

「じゃ!行ってくるね」

「ギル様、行く前の・・・」

「はいはい、ギュッとだね」

 ふたり重なりあって「無事に、帰ってきてくださいね」

「うん、帰ってくるよ、お見上げ楽しみにしていてね」

 闇魔法で、気配を消し城の抜け道を使い出て行った。


 ________ギルド______________

「こんにちわ!いいクエストありますか?」

 もうなれたもので、受付のお姉さまに聞くと、笑顔が素敵!惚れてまうやろ!!みたいなくらい勘違いするほど後光輝いてます。そら、普通の冒険者さんたち、この笑顔見るために頑張っちゃうよね!

 あっ前世ではまった、キャバクラみたいなw

「あるわよ、ちょっと難易度高いけどいいかしら?誰も受けてくれないの、コウイチ君ゴブリンの集落の排除よ」

 げげ!一体ずつは弱いけど、あいつ等集団だとそこ等のモンスター山賊よりも強いんだよね。

「いいですよ、情報はないんですか?むやみに突っ込むほど馬鹿じゃないんで、薄い情報なら、やっぱりお断りします、命あっての物種なので」


「はい!もちろんです、これを聞いたら断られるかもですが・・・上位個体が居るみたいなんですが・・・だめですかぁ?」

 上目遣いで、言ってくるのでつい!

「いいですよ!!」

 即決してしまった。

「報酬は、いくらですか?聞くの忘れてました」

「じつは、安いんですが・・・50万エルですが、ゴブリンが集めた宝はコウイチ君のものです」

 う~ん、ゴブリンが持ってるものか、そんなに価値はなさそうだがいいものあったら、今後の逃亡資金になるだろう、もう結構貯めたけどまだ、地盤が固まってないから逃亡は無理だし、コネをもっと作って潜伏先作らなきゃ。


「その現場はどこですか?時間がないから最短で行きます」


「よろしくお願いします、隣町のまだ出来立ての村なんで名前はないんですが馬で、約2日ほどですね」

 げぇ!二日かよ、あの方法使えば一日で着くけど、酔うから使いたくないんだよな~


 その方法とは、影潜伏、影があればその陰に入り移動することができる。その方向に飛ぶ鳥にうまく入っていけるなら早いけど、浮遊感があるから船酔いみたいになって、吐いちゃうんだよな。

 うん、無理だ!素直にいこう。

 馬車で行くことになった・・・影移動できるなら、瞬間移動みたいのも出来て城から街まで一気にいけるかも、なぜ思いつかなかったんだ!!


 マイに、会えないのは寂しいけど・・・行ってきまーす。

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