告白死 暗闇の中の太陽
きょうじゅ
暗闇の中の太陽
またその女、ソレイユは私の客でもありました。仕事をする際は女たちは眼鏡は外して客の前に出るものですが、その女は
私は職人でございますし、また惚れた弱みというものもございました。女に金はなくとも支払いの手段は困らない訳ですから、最高級の素材を使い、腕によりをかけ、誰もが納得する逸品を仕上げました。しばらく経つと、「
そこで、私はソレイユに話を持ち掛けたのです。お前さえよければ、借財をこしらえてお前を請け出したい、と。
……その時のソレイユの嫌悪の表情と言ったらありませんでした。彼女は言いました。眼鏡の代金は金で払うから、関係はこれっきりにしてくれ、と。ソレイユが職人としての私にだけ興味を持ち、男としての私は嫌悪していたという旨を、私ははっきり告げられました。
私はそれからしばらく、新しい、そして最後の作品に取り掛かりました。一対の作品が出来上がったところで、私はソレイユのもとへ行き、どうしても今夜だけ、一回限りこれきり最後という約束をして、その晩は女の部屋に泊まりました。そして深夜、女の眼鏡を新しく作った作品とすり替え、街を出ました。そして、ここに参ったのです。
……ソレイユには癖がありました。朝いちばん、東側の窓の前に立って、太陽の前で伸びをするのです。私の作った最後の作品には、細工がしてあります。通常の日除け眼鏡は太陽光を弱めるものですが、あの眼鏡は逆にそれを極度に強めます。その眼鏡で太陽を見たら、結果はどうなるか。
では、今からこの眼鏡を外します。はい……如何でしょう。私もまた、これを掛けて天を仰ぎ、自らの両の眼を焼いたのです。
あの女もとっくに両眼を喪い、そして山に捨てられた事でしょう。誰もが知るように、それが盲人の最期の末路なのですから……
告白死 暗闇の中の太陽 きょうじゅ @Fake_Proffesor
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