第7話 子子子子子子子子子子子子
しいて言うなら、猫に似ていた。
何がとは、性質のようなものだろうか。
ただし、十分に注意して聞いてもらいたいのが、ここで言う猫が指すものは、愛玩動物として、愛くるしい見た目を持つイエネコを指すものではない。
猫という動物の、気まぐれな性質に似ている気がするのだ。
それは、私の性質に。
私とて、ペットの中で強い人気を誇る猫に対して同列のレベルなど語る気は微塵もなく、それほど自惚れていたり、周りからの目を引こうなどとはしないし、そんなことを考えるだけで寒気が全身に走る。私自身を高く評価しないのはもちろんの事、猫自体を低く評価しないのは当然である。
とにも、私の持つ気まぐれさは、猫に似ていると思い浮かんでいるのが、今回の始まりであった。
生憎、猫を飼っている身で、その性質というのは十分に把握している。
人の都合は露知らず。己が欲すれば来いと命じ、自身が欲しなければ足蹴にして拒むその性質。
……こうまでして書くと、なんだか似てはいないんじゃないかと思い始めてしまった。
兎に角、理の性を欠いた獣であり、自分本位な猫に、空気を読むことなどできはしないと思うが、我々人間は、社会に生きる獣である為その空気を読めてしまう。きっと私にはその配慮ができるかできないかというような、些細な差だと思えるのだ。
だからこそ、その空気を読まなくてもよい時には、少々気まぐれに自分本位になりがちだ。
提案された機会に何となくで断りを入れ、今なら交流の場があると思っても面倒くさいとその場を後にする。
そのくせ厄介なのが、断り続けるわけじゃない。
全く。これでは、獣じゃあないか?
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