第3話 月の噺

 正直、文字数の目標としては4、500程度を予定していたのだが。

 前回は前回で筆が乗りすぎた節があるようだ。

 ハードルがあげられていたら、申し訳ないがそのハードルを下げておいてほしい。

 さて、なので今回は簡単に月についての戯言を述べておこうと思う。

 まず前提として、東洋の話ではなく、西洋の話である。留意してほしい。

 その西洋において、月とは魔性の効果を持っている。

 それは人々を照らし、光をもたらす太陽とは対照的に……月は、人々を狂わせるという。

 専ら、太陽と月は対比されるもので、そういった考えがあるのは当然と言えば当然だ。太陽神は男の神。月の神は女の神。

 こうした狂気の月を元にした、身の回りの伝承、言葉には様々なものがあり、少しばかり例を挙げることだってできる。

 『ルナティック』狂気を表す言葉。『ルナ』とは月を表す言葉で、それに精神を障られると『ルナティック』。狂気を起こす。

 狼男の話をしよう。一般的な狼男の話では、人間が狼に変容するのは、決まって月夜……さらに言うなら満月の夜である。月に誑かされる。

 月は狂気で。月の光は気を触れさせる。西洋魔術下では、そういった認識が一般的であったのだ。

 ただ、現在まで残っているかどうかまではわかっていない。魔術が魔術足りえなくなり、神が死んだ現代では、気を触れるまでの力は失ってしまったのだろうか。

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