眠り姫との遭遇

「圭介ー、今からカラオケ行こうぜ!」


そうやって俺を誘ってきたのは、親友の上川春人かみかわはるとだ。


「悪りぃ。今日は母さんのお見舞いに行かないといけなくてよ。」


「そういえば、今日はお見舞いの日だったか。おばさんによろしく言っといてくれよ!じゃあな〜」


そう言って春人は帰って行った。



俺は坂田圭介さかたけいすけ、高校2年生だ。今日は水曜日、入院している母親のお見舞いに行く日になっている。




「母さん。お見舞いに来たぞ。」



「圭介、いっつも来てもらって悪いわねぇ。」



母親は半年前に、腎臓病を患って、透析が必要なため入院しっぱなしなのだ。


「大丈夫だって!じゃあ俺は帰るわ。

またなんかあったら連絡してよな」


「ありがとう、圭介。またね〜」



そう言って病室から出た俺は、長い長い病院の廊下を歩く。スマホをいじりながら歩いてると、


「ドンッ」



「あ、すいません!」


正面から歩いてくる人にぶつかってしまった。


「ケガしてないですか?」


「大丈夫です。」


幸いにもケガはなかったようだ。気をつけないとな。


「そういえば…

スマホはどこ行った?

あった!あそこか。」


ぶつかった衝撃で飛んで行ってたみたいだ。近くの病室の少し入ったところに、俺のスマホが見えた。


「よいしょっと。」


無事にスマホを回収できた俺は病室から出ようとした。しかし、そこで彼女を見つけた…いや、見つけてしまったのだ。病室のベッドに眠る1人の女の子。

年は同じくらいだろうか?銀色の美しい髪の持ち主である彼女は、今までに出会ったことのないほどの美人。まさに眠り姫だった。


「うわ!可愛い!」


つい口に出てしまうほど可愛い眠り姫に、僕は一目惚れしていたみたいだ…






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眠り続ける彼女は僕の裏で生きている 峰ユエ @shiningstarfire

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