第62話 [最強姉弟コンビ]

 各々のチームに分かれ、ドアに入る。


「はー……。何すんの、ここで……」

「私が知るわけないでしょ?」

「まぁ細かいこと考えるの疲れるし……いっか……」

「楽観し過ぎよ、あんたは」

「〝ケ・セラ・セラ〟ってやつだよ……姉ちゃん」

「はいはい、そうね」


 真っ暗な空間にある光る道を進んで行くと、突然俺が浮かせているクッションが地について動かなくなる。


「……?」

「どうかしたの?」

「……俺たちは……誘われてたみたいだな」

「……! あー、チョウチンアンコウみたいな感じね……」


 どうやらこの光の道のようなのは……プレイヤーを奥へ進ませるための罠……。


『ト〜〜マトマトマトマァ!! 貴様らは我らの栄養分とさせてもらうぞ!!!!』

(ワ○ピースのキャラの笑い方だな……)


 暗くて見えないが、どうやら周囲を囲まれているようだった。シュルシュルと何かが動く音が聞こえる。

 そして、いきなりピカッと光り輝いてその姿があらわになる。


 この空間を茎で囲んでおり、そこから金色に光っているトマトが大量にある。

 実の部分に口があってキショイ。子供が見たら泣くな。


「……【鑑定】」



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

閉魔トマトマト(種族:野菜魔物・呪戒じゅかい状態)


体力/52

魔力/47

攻撃力/40

防御力/10

速さ /53

幸運/-14



[スキル]


闇誘やみいざない】【喰らいつく】【再生】【発光】


説明:トマトが呪いで肥大化したもの。トマトの実の部分に捕食器官があり、そこから捕食をする。

自分で発光して光合成ができるので、暗所でも暮らせる。

実を破壊されるのを嫌う。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 なんだか前よりも説明の部分が多くなってる気がする。スキルが成長したのかな……。


『トマトマトマ〜!』

『この空間はのおかげで』

『我らの魔法スキルは使えるが、』

『侵入者の魔法スキルは使えないようになっているのだ〜〜!!!!』

「なるほどね。要は魔法なしで、己の物理スキルとかだけで倒せってことね?」

「ガ、ガチで……? だるすぎ……」


 物理スキル……【マッスルパンチ】……? いやいや……無理無理……。想像しただけだ脳がパニクる。


『さて……では始めようか。ショータイムを! 【闇誘い】!!』


 口から黒い吐息を放出し、再び真っ暗な空間となる。


「……姉ちゃん、【鑑定】で『実を破壊されるのを嫌う』って書いてあった……。それにスキルは【喰らいつく】……」

「つまり?」

「〝真っ暗闇の中から飛んで噛み付いてくるトマトを破壊しろ〟……ってことでしょ。だからやっぱ……姉ちゃんに任せる」

「はぁぁ!? クレハも一緒に――」

「はいこれ」


 を姉ちゃんにあげた。


「こ、これって……」

「姉ちゃんに攻撃は任せる……。俺は姉ちゃんのになるから……。

 ……〝12時・d6〟……」


 ――ドンッ!!!


『トマ゛ァッ!!?』


 俺がとある合図を言い放った瞬間、大きな音とトマトの絶命する声が聞こえてくる。


「ふ〜ん。9mm口径の自動式拳銃オートマチックピストルね。装弾数は7か。普通のやつね」

「さすがは姉ちゃん……。FPSとか現実リアルの射撃大会で優勝しただけある……」


 右目を紅蓮に輝かせる俺に対し、姉ちゃんは俺があげた拳銃の銃口を輝かせている。

 多分だけど……銃に関しては、姉ちゃんの右に出るものはいないだろうな……。


『ぎぎ、貴様らァ……我が弟をよくも……!』

『なぜ暗闇で動きが見えていたのだ……』

『我ら兄弟の絆で殺すッ!!』

『覚悟しやがれェ!!』


 怒り心頭といったところか……。

 怒る奴はアイツだけでもう、お腹いっぱいだ。


「ふふふっ、じゃあこっちは姉弟の絆を見せつけてやろうじゃない! 行くわよクレハ!」

「はぁあ……やんなきゃ終わんないし、やるよ……。まぁ……どっちが被食者で、どっちが捕食者か……わからせよう……」


 チャキッと銃を構える姉ちゃんの前で、どっしりと足を組んでクッションに座り、目を開眼させた。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


まあ藍も銀水家の一員ですから。普通の人間ではありやせんよ。


ちなみに藍が最初の武器を双剣にしたのは、単純に銃が無かったから。そしてモ○ハンでライトボウガンの次に使っていたのが双剣だからです。

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