第55話 [ヴァンパイアかよ]
※桜丸の容姿についての変更点
変更前:髪に何個か白い桜の花がある
変更後:髪に白い桜の花が咲いた木の枝が二本、ツノのようにある
このような変更をしましたことご報告ささていただきます。
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なんとか甚大な被害を受けずに済んで銀行強盗たちを制圧できたが……まだ問題は残ってる。
「……痛い……」
片手で抑えてるけど、まだ血がボドボド出てる……。流石にこれ以上は血を減らしたくない。
「紅羽
「えっ!? え、えー……どうしよう紅羽くん!!」
「落ち着け二人とも……。うーん、まぁ布とかで抑えとけばいいでしょ……」
なんかないかなぁ……と顔を動かして横を向くと、そこには除木剤で制圧されたはずの桜丸の姿があった。
――ぐーー…………
「……な、なんだ……?」
腹を鳴らし、よだれを垂らしながら俺の手を見つめていた。
「血が……美味そうな匂いがするな……」
「え……何……怖っ」
「ほんの僅かでよいから……飲ませていただきたい……!」
ウルウルとした瞳でそう懇願してくるが……。
「や、やだ……」
「そんなぁ! お慈悲をぉお!!」
「やなもんはやだ……」
「くぅっ! では忠誠を誓おう!! 如何なる命令を受け入れ、身も心も其方の者だ!! 我が
「やだ……」
人に自分の体液を吸わせるなんて……俺はふつうに、やだ。実質の『なんでもする』でちょっと揺らいだけどね……。
「紅羽ー……桜丸ちゃんのお願い、聞いてくれない……?」
「は……? なんで。やだよ。母さんの方が美味しいでしょ、多分」
「いんや〜……この子、全く言うこと聞かないからさ……。ママを助けると思って、お願〜い」
うーん……。まぁ……血ぃ一滴くらいで母さんの借りと、なんでも言うこと聞いてくれる従順なやつができると思えばいい……のか……?
だったらまぁ……背に腹はかえられないなぁ……。
「……許可する……が、約束は守ってもらおう」
「有り難い!! し、しかし……もう我慢できぬ!!」
「うわっ……!」
許可した途端に俺に飛びつき、ヂウヂウと赤子が哺乳瓶からミルクを飲むかのように、俺の血をどんどん飲んでいる。
うーん……吸血鬼が現れたらこんな感じなのかな……。なんか想像したら気分が悪い……というか、違うな。
「コイツ……加減ってもん知らねぇのか……! そこまで飲む許可はしてない……!!」
こいつの
「んむ〜〜♡♡」
「う…………もぅ……やばい……」
力がどこにも入れることができなくなり、意識が遠のいていく。
「離せ……!」
「ぬわっ!!」
稲妻を微量だけ走らせ、無理やり引き離す。
そのまま椅子に倒れ込み、脱力感に苛まれながら俺は意識を手放した。
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―藍視点―
「あ! お母さんこんなところにいた!」
「ん〜? どうしたの藍」
私はあの侍みたいな子について問い詰めるべく、レストランから姿を消していたお母さんを追ってここへ来た。
お母さんはレストランの外で、棒状のものを指で挟んで持っていた。
「お母さん……それ」
「うん……ココ○シガレット。藍もいる?」
「要らない。それより聞きたいことがあるのよっ!」
「桜丸ちゃんのことでしょ〜……?」
ポリポリとお菓子を食べながら、そう言ってくる。
「桜丸ちゃんはねぇ……私の研究所に突然現れたんだ……。最初は迷い込んだ子かと思ったよ。けど調べても調べても……彼の戸籍はどこにもなかった」
「戸籍が、作られてなかったってこと……?」
「いんや……。私は別の説を思いついた。
『いつから来たのか?』……なぁんて、ね……」
つまり、簡単に言えばあの子は……過去から来た……って言いたいわけ?
まぁ確かに、昔っぽい服装に喋り口調だし……あの時、人をいとも容易く……。
「私の研究所で、誤算からの産物があるかもねぇ。調べ直すのめんどくさい……」
「色々気になるけどそういうのはよくわからないわ……。あの子はどうするの?」
「それなんだけどね……。提案があるんだ、藍」
私は、お母さんの提案に耳を傾けた。
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あ〜いけません!
作者「紅羽……そこを変われ……ッ!!」
紅羽「変われるもんなら変わりたいんだが……」
桜丸「
作者「ワ……ワァ……;;」
……ところで、お母さんの研究所では何が作られてしまったんだろうね?(すっとぼけ)
まぁ物語終盤でまた出るかもしれないし、忘れるかもしれない。
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