第53話 [半アルビノと半死。そして……]
偶然やってきた強盗……いいや、俺が引き寄せてしまったのかもしれないな……。はぁ。
何はともあれ、死ぬほどめんどくさいことは確かだ。
「めんどくせ……」
強盗たちは多分、テレビでやってた銀行強盗の奴らだろう。そこでここに立てこもる気なのかなぁ……?
外でサイレン聞こえてるし、ガソリンも切れたのが理由なのか……。
強盗たちは銃をこれ見よがしに見せつけながら、俺たちを一箇所にまとめようとしているのか、店内を歩き始める。
「はむっ、うむ……むぐむぐ……ん〜♡」
「こいつはどんな時に食ってるんだ……」
強盗御構い無しに、飯を口に放り込む侍さん。肝が座っているのか、単純に飯にしか目がないのか……。
頬杖をつきながらぼーっとそいつを見ていると、一人の強盗が俺らのところにやってきた。
……いや、正確には色葉の元にやってきた。
「へぇ……お前、なんかモデルとかなんかか?」
「えっ、えっ……ち、違います……」
「くくく……まぁいい。おいリーダー! 一人くらいは人質必要だよなァ……?」
「ひっ!」
強盗は色葉の腕を掴む。色葉はひどく怯えた様子だ。
「……なぁあんた、離したほうがいい……」
「アァ? なんだよお前……彼氏くんか? 悪ィがコイツは頂いてくぞ」
「……そういうんじゃない……。単純に、離したほうがいい……そう言ってる」
「威勢がいいなァイケメンく〜ん。そんなに彼女が取られたくないのかな〜? 詳しく説明されねぇとわからねぇわ!」
俺の忠告も真に受けず、ゲラゲラと笑っている。
面倒だが、丁寧に説明してやることにした。
「はぁ……。……こいつは、昔から研究所で入退院を繰り返してる……。理由は単純、おかしいから」
「あ……?」
「通常の人間では考えられないほどの低体温を保てるし……低くできる……」
「な、なんだ……冷てェッ!!?」
色葉の様子がだんだんと変わってきている。体からは白い冷気が漏れ出してきて、触れられている腕には白い結晶のようなものがこびりつき始めていた。
「俺は半アルビノとかいう珍しいもんだけど……こいつも大概すごいもんらしい。……研究所の人は『人間なら死んでる。なのに生きてる』とかで……〝半死〟……って、言ってたな」
「ご……ごめんなさいっ!!!」
「ウァ…………ァ…………」
刹那、腕から桃色の氷が強盗の体を侵食し、その氷が強盗を包み込んだ。
「なんだっけ……。あぁ、体内の血が混じって桃色の氷になる? とかだったっけ……」
ほんと、昔から〝異能力〟みたいでかっこよかったね……。夏は涼しくて気持ちいいし。
「お、お前ら……! 何をしたァア!!!」
「……!」
近くにいた仲間の一人が、色葉に向かって銃口を向けていた。俺は右目を開眼させ、煌々たる瞳を持って手を出す。
ドンッ! ドンドンドンッ!!
計、四発が撃たれた。
「いッ……たいなぁ……。……あ、床汚しちゃった……」
全弾、俺は手で掴んだが、もちろん傷はついて血が滴り落ちる。
「な、なんだお前ェ! ば、バケモン!!!」
「えー……怖がらないでよ……。はい、ピースピース……」
俺はピースしながら強盗の一人の肌に指先を当てる。
「はい、おやすみ〜……」
「グァァアアァアァァ!!!!」
バチッと一瞬、紅の閃光が走る。スタンガンの要領でやってみたが、上手くいったみたい……。
バタンと倒れるが、その先は侍さんの飯がある所だった。
「……あ」
幸せそうに飯を食べる彼女……じゃない、彼の顔色が一瞬で変わる。
「き、貴様……よくも某の生き甲斐を……ッ! 成敗してくれるッッ!!!!」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
あれ、全然VRMMOしてない……(´・ω・`)
このままじゃ現代ファンタジーになっちゃう気がしますね。大丈夫、『この後めちゃくちゃゲームした』ってするから。
……紅羽、毎日牛乳飲んで偉いね。おかげで弾丸貫通さずに済んだよ。
Oh!紅羽くん弾丸素手でcatch。コワイコワイね……。
……色葉、弾丸止める紅羽もだけど、あんたも大概バケモンよ。そして太ももの太さもバケモノ級で好きよ(情報初公開)。
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