第31話:神竜の神殿
「あ……色葉、今何時……」
「あ!紅羽くんやっと起きた。えっとね、今は現実では六時半ぐらいだからそろそろログアウトしたほうがいいかも」
「えぇ…全然寝れてない……」
「十分寝てたよ!?」
はあ…ま、現実でももうちょい寝ればいいか。今日金曜日だし。
もうちょい寝たかったが仕方ない…。
〜〜
俺たちはログアウトし、現実に戻ってきた。
「あーーー……寝足りない……」
「えぇ…さっきも言ったけど紅羽くんすごく寝てたよ?」
ダメだ……眠い……どうやら俺はここまでのようだ…あとは俺に任せろ(睡眠を)。
「紅羽ぁぁあ?」
「む……」
なんだ…寒気がするな……。
今日は……風が騒がしいな…。
「なんで私を置いてどっか行ってたのよ!!」
「あー……いやだって人がめっちゃいたから姉ちゃん見つけられなかったよ」
どうやら俺たちに置いていかれたことにご立腹なようだ。
「あんたのことだから探さずに逃げたんでしょう……」
「えっ……やっぱり姉ちゃん、心読めるの…?」
「あんたねぇ…はあ、もういいわ…。母さん今日も仕事から帰ってこないから、ご飯作ってくるわね」
「りょ」
母さんは仕事場へ行くと、そこで寝泊まりしてるから中々帰ってこないのだ。
あ、ちなみに父さん出張中。
ってことでいつも姉ちゃんに任せきりだ。だけど家事が好きらしいからよかった。
できるなら…養ってもらいたい…。
「それじゃあ私今日は帰るね、バイバイ!」
「おう……バイバイ……」
色葉も帰ったので、俺は自分の部屋に戻り、寝ました。
〜翌日〜
「紅羽っ!!起きなさぁい!!!」
「ぐっ……目がァ……」
突然カーテンを開けられ、姉ちゃんにバ○スされてしまった。
「姉ちゃん……今日は土曜日だよ……ゆっくりしようよぉ……」
「あんたねぇ…今十二時よ!?」
「え…?あと二時間は寝たいよ」
「寝すぎ!!ほら起きた起きた!!」
姉ちゃんにベッドから追い出されたしまった…。
起きてもすることないしなぁ……。
勉強は最初に教科書パラパラっと見たら大体理解できたし……課題ももう終わらせてるし…することないな……。
「あ、ゲームの中なら寝ててもバレない……よし、ゲームしよう」
俺はゲーム機をすぐに用意し、ログインした。
「起動」
〜〜
俺がやはりまた噴水からのスタートだった。
寝るのも悪くないが……店を回って安眠グッズを手に入れるのも悪くないな……。
そういえばステータスポイントあるから振り分けとくかぁ。
いちいち振り分けるのダル……。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
クレハ(種族:人間)Lv.22
体力/49→53
魔力/77→85
攻撃力/25→27
防御力/22→24
速さ /19→21
幸運/38→50
[スキル]
◾︎基本スキル
【鑑定】
【アイテムボックス(小)】
【威圧Lv.5】
◾︎魔法
【火魔法Lv.1】
【風魔法Lv.1】
【雷魔法Lv.5】
【爆裂魔法Lv.2】
◾︎魔法スキル
【紅稲妻Lv.8】
◾︎大罪スキル
【睡眠】
【
【
[称号]
【大罪:怠惰の極致】
【裏ボスキラー】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
運が50超えたぜぇ……これで面倒ごとが起こらなくなってほしいな……。
俺はクッションに乗り、空中に浮きながら移動をしていた。
仮面のおかげで誰も気づいていないから便利だな…。
そしてこのクッション……やはり最高だな。
だんだん……眠く………。
「zzzz……」
紅羽はクッションで移動しながら眠ってしまった。
スキルは切り忘れ、そのまま紅羽は前へと進んで行った。
〜〜
《“神竜の神殿”へ初めて到達しました。称号【
「いてっ……」
壁にぶつかった?頭痛い……。
目を開けると、そこは神殿のような場所であった。
その神殿的なものは、二匹の白と赤色の竜が飾ってあり、白がベースとなった建物であった。
(おかしい……この街にはこんな場所なかったような……?)
俺は一回地図を見たことがあり、ほとんど覚えていたので、大体覚えているのだ。
外を眺めていると、中に人がいるのに気づいた。
「ちょっと聞いてみるか………あのー、すいませーん」
俺は神殿の中にいる人に話しかけてみた。
「おや、こんにちは。ここに選ばれし者が来るとは…」
その人はおじいさんで、神父のようであった。髪は真っ白で、目は赤色であった。
「選ばれし…?どゆこと?」
「おっと失礼。老い先短いじじいの独り言ですぞ」
「爺さん口悪いな……。てかまだ元気じゃん…。じゃなくて、ここってなんですか?」
「ここは“神竜の神殿”。昔いた“神竜”を祀っている神殿じゃ」
「ふーん……」
神殿か…静かで自然豊かな場所だなぁ……この場所…いい昼寝ポイントになる……!
「あら!珍しい。人が来たのなんて何年ぶりかしら?」
神殿の中からもう一人、真っ赤な髪をして、目も赤色のおばあさんが出てきた。
「ども……二人でこの神殿を管理してんですか?」
「ええ、人も来ないけど私たちにとっては大事な場所だからねぇ。ねっ!」
「ああ、そうじゃよ」
「……大変そうですね」
俺だったら途中で諦めて姉ちゃんを呼ぶと思うな……。
そして俺は寝る。寝まくるね。
「大変じゃが、全然嫌ではないよ」
「外の様子を見に行きたいとは思わないんです?」
「出たいけど…いろいろ忙しくてねぇ…ま、それでも幸せだからいいけどね!」
「なるほど……ま、幸せならいいんじゃないですか?でも、己を縛りながら生きても、自分が見ている世界の視野が狭くなってしまうし……たまにはなんにも縛られずに自由にするってのもいいんじゃないですか?そのほうが一番自分らしく生きられる……って俺は思ってますし……」
二人ともポカーンとした表情で俺を見ていた。
別に変なこと言ってなくない……?
「面白いな、君は」
「ほんとねぇ」
面白い…?よくわからん…この老夫婦……。
そんなことを思っていたら、俺の体がキラキラと輝きだした。
「おや、もう時間か…早いのう」
「えっ……時間制限あんの……」
「お主とまた会えること、楽しみにしておるぞ」
「また会いましょうねぇ!」
「はっ?えっ?」
気づくと俺は街の一番端の崩壊した家だったようなものの上に立っていた。
「ふ…………ふざけんなぁ!!寝れなかったじゃねぇか!!」
俺は今日一番不幸なことであった。
〜side神殿の二人〜
「ふふ……くくく……くあっはっはっはぁ!!!面白い!あの小僧!!」
おじいさんが突然笑い出すと、人間ではなく、一匹の巨大な白い竜へと姿を変えた。
「ええ、ほんとねぇ……よっと!」
おばあさんも真っ赤な竜へと姿を変えた。
「我ら元神竜に教えを説くとは!!」
「久しぶりに人に会ったけど、まだそんな人がいてよかったわぁ。あの子なら、私たちの子を任せられそうね」
「うむ……だが悲しいな。我が子を他の者へと託すというのは…」
「仕方ないことでしょ!まだ死んだこと根に持ってるの!?」
「む……そうだな……仕方ない…。我らは死んでいるから出られないが……確かに出ようとしたことはなかったな……」
「今度試してみましょうか?」
「うむ、確かに試すのもありだな」
「ていうか私たち、なんで老夫婦みたいな見た目に化けてるんでしたっけ?」
「何っ!?忘れたのか!?それは神殿っぽいからであろう」
「ああ…そんな理由でしたっけね……」
バサッと翼を広げ、二匹は空へ飛び立った。
二匹の竜は空を飛び、今日会った人の子について話し合うのであった。
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紅羽は目上の人にちゃんと敬語で話したりと常識的ですが、だるかったら絶対寝ます。
それが社長だろうとなんだろうと…寝ます。
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