第32話:始まりの森の死神




 イライライライラ……。



 お気に入りスポット決定…かと思ったら時間制限あり、次いつ行けるかわからん……そして寝れてない……。



(イライラする……)



 一度決定したことは曲げたくない主義だからあそこで寝るき満々だったのにぃ……。


 仕方ない……ちょっと森行って殺戮マシーンとなるか……。

 程よい疲れを与えて、極上の眠りを確保するっ!



 紅羽はゆっくりと森へと移動していた。



『『『『『!?!?』』』』』



 森の生き物たちが訳もわからずゾッとした瞬間だった。


 彼らは知る由もない。数分後、森の生命体が一気に消え去ることを……。



〜〜



「さて……森についた。魔法いっぱい覚えてたし…それも兼ねて……」



 森へ入ると早速ガサッと草むらから音がして、そこから一匹のゴブリンが出てきた。



『ギャッ!ギャッ!!』



 こちらを見つけるといきなり襲いかかってきた。



「とりあえず火魔法から…よっ」


『ギャーーーー!!!』



 手から火の玉を出しゴブリンにぶつけた。



《スキル【ファイヤーボール】を手に入れました》



 お、こんな早くスキル手に入るの…?



「ていうか……ゴブリンのドロップ品出たけど……“薄汚れたボロ布”て……」



 まあ一応アイテムボックスには入れておいた。



 さらに森の中を移動。


 お次は鹿が出てきた。



「じゃ、次は風で……」



 手から風魔法をイメージして放った。

 すると鹿はみじん切りのように切り裂かれた。まあ血出てこないし、ポリゴンだった。



《スキル【ウィンドカッター】を獲得》



 ドロップ品は鹿の角。そのまんま鹿の角。


 さて、次だ。



『フゴッフゴッ…フゴ?ブヒィィィィ!!』



 いつぞやの猪が出てきた。



(雷魔法は【紅稲妻】で何回か使ってるから……爆裂魔法やってみるか……)



 俺はかなり魔力を抑え、爆裂魔法をイメージして放った。


 すると半径一メートルぐらいの爆破がおき、猪は絶命。



《スキル【プチエクスプロージョン】を獲得》



「ドロップ品が肉だ……いらん……睡眠道具を寄越せ……」



 そんなことを思い、さらに移動する。


 さて、お次は蛇だ。しかも数十体。



 俺の周りを囲い、口から毒を飛ばしてきた。



 俺は風魔法で俺を中心に守るようなイメージし、毒を全部ガードすることに成功。



《スキル【ウィンドバリア】を獲得》



「面倒だ……【重力操作】」



 俺はまとめて蛇を瞬殺した。



「ドロップ品……“毒入り瓶”……これこそ何に使うんだ……?」



 まあ使う時が来るかも知れないのでアイテムボックスに入れた。



 そのあとは次々とモンスターを真顔で瞬殺していった。



〜一時間後〜



《称号【始まりの森の死神】を獲得》



「死神…?物騒な……俺はただ安眠を求む者だ……。いい感じに疲れてきたし…寝るか」




 一仕事した後の睡眠……さいこぉ。




 その後、やはり強制ログアウトまで寝続けるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る