第29話:色欲のスキル




 さてと…色葉の相談も終わったみたいだし…寝るか。



「よし、おやすみ」


「えっ!?寝ちゃうの!?」


「zzz」


「ちょっとここモンスター普通にいっぱいいるところだよ!?」



 紅羽はもうすでに熟睡中。


 すると草むらからモンスターが現れた。



「えっ?えっ?どうしよう…紅羽くん!起きてー!!」



 ジリジリと犬型のモンスター一匹は二人に近づいていた。



「こ……こないでええ!!!」


『アウゥ!?』


「あ、あれ?」



 犬が突如、鼻から血を吹き出し、倒れ込んだ。



 そう、これが色葉の持つ色欲の大罪の能力の一つ。


 スキル【溺愛沼できあいぬま】。スキル発動者の常時発動スキル。


 感情が高ぶったり、ピンチな状態になるとそのスキルの効果が倍増し、相手をメロメロにし、言いなりにできる。鼻血を吹き出しすぎて戦闘不能になることがある。


 これには個人差があるが、並大抵の人はこのスキルを免れることはできない。



「うーーん、うるさい………zzz」



 この男は恋愛など興味がなく、寝ることなど以外はほとんど興味がないので、色葉のスキルは効いていない。



『『『『グルルル……』』』』



 今度は三匹は先ほどと同じ犬だが、一匹はボスらしく、体が一回り大きい個体だった。



「あばばばばば……ど、どうしよう…。あっ!スキルを使えば…」



「ええと…【精神支配マインドコントロール】!」



『『『『アウッ!?』』』』


「えっと…“ここから離れて!”」



 こう言うと、犬達は速やかにこの場から離れていった。



 スキル【精神支配マインドコントロール】。その名の通り、精神を支配し、自分の思うがままに操れるスキル。

 このスキルは、自分よりレベルが下だと思うがまま、同じだと手こずる。自分より上だと全く効かない。



「zzzz」



 やはり効かない紅羽であった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


テスト近いので更新速度遅くなります…。

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