第27話:学園のマドンナ




 俺は思う。


 地面が全てクッションになればいいのに…。


 そしたら寝たい時にいつでも横になって寝れるじゃないか…。


 こんな硬い地面を歩くより、転がって行きたい……。



 そんなこを思いながら俺は家へと帰っていた。



「た、だい、まぁ……」



 あれ、まだ姉ちゃん帰ってないのか…。



 俺は靴を脱ぎ捨て、手を洗いうがいをして、自分の部屋へと行った。



「ふふふ……だが今日は金曜日……よきかなよきかな……」



 部屋にあるクッションに頭を沈め、そんなことを呟いていた。



 そんな時間をしばしば過ごしていると。



ピンポーーン



「む………誰だ……俺の金曜日を邪魔する奴は……」



 俺はふらふらと玄関に向かい、ドアを開けた。


 するとそこには。



「あっ…えと、紅羽くん今よかったかな…?」



 そこには学園で知らない人はいない…と言ったら過言じゃね?と思うけどそうやって言われてるからそう言っておく……。


 じゃなくて、学園のマドンナと言われている“美波塚色葉みなみずかいろは”がいた。

 髪型はふわっとしていて、肩のところまで伸びている。



「………今はだらけたいのでよくないです…」


「絶対大丈夫だよね!?それ!」



 色葉の家はここから一軒先にあるから、近い。

 そしてたまに来るけど律よりは来ない。



「ん?あれ、色葉ちゃんじゃない。今日はどうしたの?」



 いつのまにか姉ちゃんが帰ってきた。



「おお…姉ちゃんいいところに…。これからダラダラする用事があるのに帰ってくれないんだ…ちょっと手伝っ……って痛っ…」



 姉ちゃんにチョップされた…。



「はいはい上がってねぇ」


「お、お邪魔します!!」



 手を貸してくれなんて言わなければよかった……。



〜〜



「へー!色葉ちゃんもゲーム買ってたんだ!」


「は、はい…!優流くんから紅羽くんもゲームを持っていると聞いて…お父様に買ってもらいました」



 にしてもさすが金持ち…親父さんが社長さんなだけあるな…。



「それで…そのゲームにおかしな称号がもらえたんですけど…聞いたことがあって…。あ!ゲーム機持ってきました!」


「なるほど、それじゃあゲームの中で話した方がわかりやすそうね!ちょっとまってて!」



 姉ちゃんが走ってゲーム機を取りに行った。



 戻ってきた姉ちゃんにゲームのスタートのところまでいろいろと電源をつけてもらった。



「よしっ!それじゃあ行くわよ!」



「「「起動」」」



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


金曜日……やったぜ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る