第21話:説教
「お…い…!起…ろ」
誰かが叫んでいる……?うるさい……。
「起きろっつってんだよ紅羽ぁぁぁ!!」
「うるさいってぇ………言ってんだろぉ!」
「ぐはぁっ!!言ってねぇじゃんよぉ……!」
俺は叫ぶ相手に向かってアッパーカットを決め込んだ。
「ん……?あれ優流どした……?」
「今…ピンチなんだよ……」
「いや……ここどこ」
森の中……。勝手に連れてきたのか……許さん。
「おい!拳に力を込めるな!攻撃判定ないけどなんか痛いんだよ!」
「そうか………あ」
目の前には巨大なイノシシがいた。今にも突進してきそうだ。
「あれだな……最近映画やってるし……」
「それ違う!これリアルイノシシ!!」
「えっ……?違う?あ、本当だ……。二本の刀持ってないじゃん……」
「持ってるわけねぇだろ!この馬鹿!」
「あ?おい……お前にいつも勉強を教えてやってるのは誰だ……?テスト前になったら泣きついてくるくせに……」
そう……こいつは俺より馬鹿だ…。テスト前になると毎回俺の家に来て勉強を教えている……。
それなのに馬鹿だと……?許せん……。
「いやっ……本当にごめんって!ってイノシシ来てる!スタートダッシュ決めてる!」
「いつも俺はめんどくさいのにかかわらず、俺に教えろ、ここはなんだ、わけがわからん、と、俺の家で喚いていたのは誰だ………!」
『ブヒィィィィィ!!!』
「いや来てるって!!あーー!死ぬ!!」
「うっせぇんだよ!こちとら取り込み中だぁ!!【紅稲妻】!!」
『ブヒィィ…………』
イノシシは俺の言葉で怯え、そのまま稲妻に直撃で丸焦げになり、その場で息絶えた。
《スキル【威圧】を獲得》
「さぁて……邪魔者がいなくなった……存分に語り合おうじゃあないか……」
「えっ………いやっ……遠慮しますっ!!」
「まあまあ……そんなこと言わないでよ……俺たち…友達だろ?」
「そんな人を殺すような目で見ながら言うなぁ!!!」
その後、優流の顔は生気がなくなっていた。
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紅羽は怒るとめちゃ怖いです。
あれだ、普段おとなしい人が怒ると超怖く感じるやつです。
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