第19話 [イベント開催の予告]
《ワールドアナウンス:始まりの草原のボスが倒されたので、第一回のイベントを五日後に始めます! 詳細はホームページをご覧ください》
ボスのウサギを倒した後、そんなアナウンスが流れてきた。
「ふーん……イベントねぇ……」
「クレハ兄も出るでしょ?」
「え? ……出ないけど」
「えっ!? なんでっぇ!!?」
律は口をあんぐりと開けて驚いていた。
イベントに出ない理由、そんなのはもう決まりきったことだ。
「えぇ……だってめんどくさい……」
「そんな理由で……」
うん、本当のことだ。嘘偽りはない。
なぜたくさんの人が集まってごちゃごちゃする大会に俺も出なければならないんだ。
寝れないじゃないか……!
「うーーんと……あっ! ねぇねぇ、景品とか出るらしいよ!!」
「景品か……いらないな。そんな物に釣られることはない……」
「〝伝説の聖剣〟とか〝現代武器〟……。ふーんいろいろあるんだ。ん……? 〝極上アイマスク〟?」
「今……なんて言った……」
「ふぇ?」
「今……極上のアイマスクとか言わなかったか……!?」
律の肩を掴み、もう一度言ったことを確認する。
「え、う、うん!」
「よし……仕方ないが俺の安眠グッズコレクションを増やすためだ……一位とるぞ……!」
「そ……そんなに欲しいんだね……アイマスク……」
当たり前だ。
俺はだらけるためにこのゲームを始めたんだし、ここでだらけグッズを手に入らなければ堕落者として恥ずかしい。
……『堕落者の時点で恥ずかしい』? 黙っときなさい。
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「さて………エントリーもしたし、寝るか」
律は今から行きたいところがあると言い、どっか行ったから、今は俺一人だけ……。
「ん……? なんか忘れてる? いや……あったとしてもめんどくさっ。やめだやめ。おやすみ………」
完全に優流の存在を忘れていた。
〜優流〜
「うーーん……紅羽に連絡したけど……律も行ったし多分伝えてると思うし……」
律儀に紅羽のこを待っている優流であった。
「うむ……ちょっと遅いし、始まりの草原のボス倒されたって言ってたし、最初の森の入り口まで行ってみっか!!」
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「んがっ………ん〜……やな予感……zz」
クレハはすっかり忘れていたが、二人が鉢合わせるのは数分後。
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俺もほかほかなアイマスクが欲しい。
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