第15話 [火花妹 襲来]

 授業も全て終わり家は帰ってきた。


「ヴァァァ……た、だいまぁ……」


 俺は唸り声混じりにそう喋りながら、モタモタと歩みを進める。言動をゾンビのようにして帰宅した。


「お帰り紅羽。……どうしたの?」

「いや……普通に疲れた……」

「あぁ、そう……。手洗っときなよー」


 早く寝たい……あ、今日一緒ゲームやるんじゃん……。だるい……。


――ピーンポーン


「(……誰だ? なんだか嫌な予感がする……)」

「紅羽ー? ちょっと今手ぇ離せないから出てくれなーい?」

「くっ……仕方ない……」


 俺は玄関へと向かい、ドアを開けると…。


「はーい……誰です……うっ!!」


 突如として腹へダイブされ腰に腕を回され、逃げられないようになった。

 敵襲かと思ったが、ある意味それは間違っていなかったと思う。


「紅羽にい久しぶり!!」


 そこにはショートボブで前髪にピンをとめた、火花優流の妹こと、火花ひばなりつがいた。


「ぐっ……な、なんでここに……?」

「お兄ちゃんから紅羽兄がWFO買ったって聞いたから来ちゃった!」

「『来ちゃった』って……お前は俺の彼女か……」

「え〜っ!? 彼女だなんてぇ〜……」


 ……? 顔が真っ赤だ、耳まで真っ赤。

 メンダコみたいだなぁと内心思った。


「……とりあえず入るか……?」

「うん! お邪魔しまーす!」

「邪魔をするなら帰ってくれ……」

「えー? つれないよー紅羽兄」


 律を招き入れ、リビングまで戻ってきた。


「あ、紅羽誰だった……って、律ちゃんじゃない!」

「あ! 藍さんこんにちは!」

「はい、こんにちは。今日はどうしたの?」

「実は一緒にゲームをしようと思って…」

「ゲームってもしかしてWFO?」

「うん!」

「当選したんだ! じゃあ早くやりましょ! すぐにこれ終わらせるから!」


 姉ちゃんはまだやることがあるようだ……。

 大急ぎでスパートをかけているのを横目に見た後、律に視線を戻す。


「……じゃあ先に行くか」

「わかった! じゃあ早くっ。紅羽兄の部屋いこ!」

「……俺の部屋確定なのか……」

「当たり前だよ〜」


 というか……優流が『送りつけるぞ』って言ってたけど、結局律きたじゃん。約束を破っていないのに……。

 次会ったら……優流に一撃決めるか……!



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

作者「今日早起きして11時に起きて眠いんですけど……。えっ、遅い? 普通だよね、紅羽」

紅羽「んー……早い方。2時起きが通常……」

作者「だよねェ!!!」

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