第4話 [チュートリアルとステータス]

《チュートリアルを始めます。まずステータスと唱えてください》

「すー……すー……」」

《チュートリアルを始めます。まずステータスと唱えてください》


 なんか……声が聞こえる気がする……。


《チュートリアルを始めます。まずステータスと唱えてください》

「うーん…さっきからうるさい……」

《チュートリアルを始めます。まずステータスと唱えてください》

「んあ……? あ、そういえばゲームやってたんだった。あれ……キャラメイクとかは?」


 名前をランダムで決めてもらって……そこから記憶がない。


《チュートリアルを始めます。まずステータスと唱えてください》

「うるさいのこれか……はい、『ステータス』」


 唱えた途端、目の前に文字が書かれてある半透明な板が出てきた。


――――――――――――――――――


クレハ(種族:人間》)Lv.1


体力/13

魔力/20

攻撃力/3

防御力/2

速さ /2

幸運/10



[スキル]

【鑑定】【アイテムボックス(小)】



[称号]

なし


――――――――――――――――――


 これがステータスか……。運……ってのは、上げた方がいいのか? まぁやっていったらわかるか。


《スキルを三つ選んでください》


 スキル……魔法みたいなやつを選べるのか。なるべくダラけられるやつだな……。

 内心そう思いながら、スキルの選択画面へと移った。


「うわっ、めっちゃある…。お、これにするか、あとこれとこれだな」


俺が選んだのはこれ。


――――――――――――――――――


クレハ(種族:人間)Lv.1


体力/13

魔力/20

攻撃力/3

防御力/2

速さ /2

幸運/10



[スキル]

【鑑定】【アイテムボックス(小)】【念動力サイコキネシスLv.1】【浮遊フロートLv.1】【睡眠】



[称号]

なし


――――――――――――――――――


選んで思ったんだが、 【睡眠】ってどんなスキル……?

 まあ、こんなのあったら取るしかなないよね。


《では次に武器を選んでください》


 武器……俺みたいなヒョロガリもやしっ子高校生に武具の使用を求めたらダメだ。

 うーん、特に扱えるものは……って、こ、これは!?


《武器【人をダメにするクッション】を選択しました》

《必要な条件、スキルを獲得したことで、称号【大罪:怠惰の極致】を獲得。ステータスポイントも獲得》


 【怠惰の極致】? 俺にぴったりな称号だなぁ。

 ……ってか、このクッションって武器なのか? まあなんにせよ、即決することには変わりない。


《では手に入れたスキル、武器を使い、モンスターを倒してください》

「え、これの武器で倒せって……?」

『ぷるぷる!』


 目の前にあの定番なジェリー状の動物(?)がいる。これぐらい知ってる、知ってるけど一応鑑定しておこう。


「スキルはどう使えばいい……?」

《スキルは、頭に思い浮かべて、口に発することで発動します》

「あ、どうも……」


ご丁寧に教えてくれたので、言われた通りにしてみる。


「【鑑定】」


――――――――――――――――――


(種族:スライム)


体力/5

魔力/0

攻撃力/1

防御力/2

速さ /2

幸運/1


――――――――――――――――――


 うん、やっぱりスライム。でもどうやって倒そう? あ、【念動力サイコキネシス】でいけるかな?

 俺はスライムに手をかざし、スキルの名を唱えた。


「【念動力サイコキネシス】」

『ピギッ!?』


 俺はスライムを全方向から圧縮するように使った。するとスライムはぶちゅっと潰れて消えた。


《モンスターを倒しました。経験値を獲得。レベルが上がりました。ステータスポイントを分けてください》


 早速上がったのか。ステータスポイントは攻撃力とかを上げるやつだっけ?

 まあこんな感じでいいか。


――――――――――――――――――


クレハ(種族:人間)Lv.2


体力/13→18

魔力/20→35

攻撃力/3

防御力/2→7

速さ /2→7

幸運/10→15



[スキル]

【鑑定】【アイテムボックス(小)】【念動力サイコキネシスLv.3】【浮遊フロートLv.1】【睡眠】



[称号]

【大罪:怠惰の極致】


――――――――――――――――――


念動力サイコキネシス】とか魔力使ってそうだしね。


「あ、次から自分でステータス振り分けるのだるいんで適当でお願いします」

《了解しました》


 これでオッケー。


《これにてチュートリアルを終わります。よき異世界ライフを》


 視界がグニャリと歪み、場所が移る。どうやら街中へ転移したみたいだ。


「何この機能……現実でも欲しい」


 魔法すごいなぁと思いながら、噴水の近くのベンチに座った。


「……ちょっと、寝よ」


 目を閉じ、微睡みに誘われて意識を切断した。

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