第3話 [自業自得なのか…?]

 姉ちゃんが色々と設定をやり終え、あとは起動するだけとなった。

 その間俺は隣で応援していた。……夢の中で。


「さ! これを頭につけてこの右にあるボタンをつければ起動できるわよ!」

「おーすごーい……」

「じゃた早速やるわよ! キャラメイクが終わったら始まりの街に最初いるらしいからそこにある噴水に集合よ!」

「ん……わかった。でもやけに詳しいね」

「下調べは完璧だからよ」

「さすが」


 ゲーム機である近未来ゴーグルを頭に装着し、声を揃えてこう言った。


「「起動」」



###



「(おぉ、なんだここ……何もない……)」


 無限に広がる無の空間。俺の体はフワフワと浮いていて、ハンモックの上のように心地よかったを


『こんにちは、私はキャラメイクを担当、説明をさせていただくAIです。では早速参ります。まずお名前はどうされますか?』

「えー……クレハでいいです……」

『かしこまりました。では名前はクレハでよろしいですか?』

「……ん、はい」

『では次に、あなた様の体をスキャンします。成功しました。次にご自分の見た目をどうするか調整してください』


 俺のけだるげな顔と全身と、その横に大量の選択画面が表示されたを

 うわ、何これ、面倒くさい……。やば、眠くなってきた……。


「……すー……」


 もう俺は夢の中に入り、AIさんの声も薄れて聞こえなくなった。


『…………制限時間が過ぎました。容姿などもランダムで設定させていただきます』


 選択画面が凄い勢いで変わって行き、ドラムコールが鳴る。


『容姿などは後々変更可能です。種族は〝人間〟となりました。WFOの世界をお楽しみください』

「ぬー……ぬー……」


 特に何もしないままゲームの世界へと送られた紅羽であった。

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